「栄養を抜く食事療法」の怖さ

gennmai

栄養を抜く食事法

月に一人くらいの頻度で断食や菜食、極端な粗食などで体調を崩した人が来院しています。

書籍などで情報を得た人もいますが、医師や歯科医師、治療師や助産師などに指導されていた人も多いです。僕は基本的に、栄養を抜く食事法は成功率が低く危険が伴うのでやめた方がいいとアドバイスしています。

「栄養を抜く食事療法」の怖さは、食べる能力と正常な判断力を同時に失うことにあります。

短期間(せいぜい3日程度)なら内臓を休ませたり脂質代謝を活性化させる効果も期待できますが、長期的かつ積極的にやるほどに心身が弱ってしまうようです。

長寿遺伝子を活性化するなどの情報もありますが、むしろ老化を促進しているように見えます。

回復には非常に長い時間が

食べればまた回復すると考える人が多いのですが、甘いでしょう。

回復には抜いた期間とほぼ同じか場合によっては何倍もかかるのです。

そのため後から方向修正しようとしても、多くの人が回復の途中で挫折しています。

いったん重度の栄養不足になると肉などの栄養あるものを正常に消化吸収できなくなります。

そして食べれば食べるほど体調を崩すような身体になってくる。すると「食べない方が楽で体調が良い」という状態になります。

それで本人が快適に生活できればいいのですが、栄養不足はあらゆる慢性病や症状の原因となることは既に知られているところ。

成長期であれば発育不良を引き起こし、弱い体質傾向を作り、心身の不調で苦しむことになりがちです。

上手くいった人を見たことがない

アトピーなどの難治性の疾患では、このような食事法が「治療法」として行われることもあります。

人によっては実際に症状を緩解させますが、実はステロイドと同じように副作用があります。

重度胃弱、代謝の低下、依存、こだわりが強くなるなどの精神的な症状、やめようとすると調子が悪くなる「リバウンド」のような現象も起こることが少なくありません。

こういった事例を複数経験しているので、僕はこれには手を出さないし、患者さんにも勧めません。

やるなら信頼できる専門家の指導を受けて、とでも言いたいところですが、名の知れた専門家の指導で壊れた人を今までに何人も診てきました。一方で、うまく行っていると思える人にはまだ会ったことがありません。