お酒の好きなおじいちゃん

osake

断酒から寝たきりに

何年も前のことですが妻が鍼灸の訪問をしていた先にお酒の大好きなおじいちゃんがいました。

とても良い方で、かなりの高齢でしたが頭脳明晰、20代だった妻は孫のようにかわいがってもらったようです。

ところがそのおじいちゃん、軽い脳梗塞を起こして医者から飲酒を止められました。

そして医師の指示を守り、今まで大量に飲んでいたお酒を一切やめたところ、一気に気力を失って、ほとんど寝たきり状態になってしまったんです。

たぶんアルコールの代謝物が脳のエネルギー源として機能するまでに飲酒に適応していたと思います。

実際に脳はアルコール代謝の過程で出る酢酸をエネルギー源として利用できるそうです。アルコールには気分を良くし、食べものの消化や血行を促進する効果もあります。

だからおじいちゃんの場合、飲んでいる方が調子が良かった。

この時の医師の指示はごく常識的な、医学的に正しいものだったでしょう。

でも、それを守った結果、生活の質は著しく低下してしまった。

これは極端な例ではなく、よくあることだと思います。

習慣を変えるのは慎重に

一人一人の体質、今の状態、生活環境はずいぶんと異なっています。

一般論として正しいこと、有益な情報が、そのまま「その人」に役立つとは限りません。

ですから今の自分に役立つか、合っているかを見極める必要があります。

食事のことなど誰かにアドバイスするときも同じ。

特に高齢者であれば急激に習慣を変えず、楽しみを奪わず、無理なく生活の質を高めるように工夫すると良いでしょう。

弱っている人や幼い子供にも同じことが言えます。

長年栄養不足だった人は急にたくさんの動物性食品やサプリメントを受け付けませんし、無理に摂取すれば体調を崩してしまいます。

粗食で育てた育児の間違いを知り、これは大変と、急激にMEC食のような栄養豊富な食事法に切り替えても子供は親の思うとおりに食べません。

今までの食生活に「適応」しているんですから当然ですよね。

たとえ方針が正しかったとしても、身体は急激な変化にダメージを受けますから、あせらず無理せず半年~1年くらいかけて徐々に慣らしていくのが無難だと思います。