アロエは下剤

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アロエは下剤

健康にいいからとアロエを食べている人がいるようですが、やめたほうがいいでしょう。

アロエは、強力な下剤ですから。

量にもよりますが、常用すれば腸を傷つけるだけでなく肝臓、腎臓、膵臓、皮膚が障害されるリスクがあります。

アロエはアフリカ原産の多肉植物で、アロエベラやキダチアロエという品種がよく知られています。

アロエ類はどれも同様の成分を持ち、使い方(薬効)もだいたい同じ。

なにやら特別なものとして売られているアロエ製品もありますが、、その辺に生えている物とさして変わらないでしょう。

以前、東洋医学の基礎的な考え方「虚実寒熱」について書きました。

虚実と寒熱 東洋医学の身体の見方と体質を知るポイント

東洋医学では、身体に起こる複雑な現象を単純化してとらえます。

虚・実は、強いか弱いか、

寒・熱は、熱いか冷たいか。

このバランスが極端に偏らないよう整えていくのが、東洋医学的な身体の扱い方です。

ところがfacebookのシェア先でこの記事に対して、

「だからアロエベラ!虚も実も寒も熱体質もバランスを取り戻します!」

こんなコメントが付きました。

アロエベラが大好きな人のようですが、、これ、ちがうよね。

ちょっと気になって、アロエの性質について調べてみましたが、これは基本的に下剤です 

アロエベラもアロエもほぼ同じような成分であり、漢方的には虚を補う性質も、温める性質もほとんどないでしょう。

東洋医学的なアロエの薬効

手元にある「中医営養学」によれば、漢方的なアロエの性質は次のように記されています。

性味 : 寒 苦

効用 : 通便瀉下の効が大きい

少量では胃健に効く。骨盤内を充血させるので、月経・妊娠期は禁忌。

やはり、下剤ですね。

胃健の効果は、おそらく胃の熱を冷ますのでしょう。

寒性の食べ物は、身体を冷やします。

苦味も基本的に、熱を冷ます性質が強い。

また、身体から余計なものを排泄させるものも、苦い味の食べ物です。

アロエのように苦みがあり、瀉下効果のある生薬は「虚も実も寒も熱体質もバランスをとり戻す、、」ということはない。

病的な実を弱め、病的な熱を冷ます効果ならあるかもしれませんけど。(場合による)

東洋医学的な視点からみると、明らかにそう。

下剤なので、ひどい便秘とか、そういう目的で使うものです。

健康食品って、これ一つでなんでも治る!とか、これさえ飲んでれば安心!とか、そんなふうに宣伝されることが多いですね。

そういうと売れるんでしょうけど、、成分を調べてみると、まったく可笑しいことが少なくありません。

アロエなんてまさにそう。

下剤を常用するのは、やめたほうがいいですよ。

ただ「中医営養学」も鵜呑みには出来ないので、念のため現代的な視点で生薬としてのアロエを考えてみます。

アロエとは

アロエは、アフリカ原産の多肉植物で、多くの種類があります。

中でも、ケープアロエ、アロエベラ、キダチアロエなどがよく知られています。

ケープアロエは緩下作用が強い種類、アロエベラは欧米由来の果肉が厚い種類、キダチアロエは日本でよく見かける品種ですが、アロエ類はどれも同様の成分を持ち、使い方(薬効)もだいたい同じ。

有効成分のアロインには、緩下活性作用があり、大腸粘膜を刺激して「強力な下剤」としての効果があります。

このほか外用薬として火傷や傷にアロエの汁を塗ると効果があると言われています。

民間療法として普及していることから、傷や火傷にちょっと塗るような使い方では大きな問題を生じないかもしれませんが、直接食べることには注意が必要です。

なぜなら、アロエの成分には毒性があるから。

アロエの毒性

アロエの毒性について「健康食品中毒百科」には、

強力な下剤で、肝機能障害、腎障害、膵臓炎、皮膚障害などの原因になる

と書かれています。

アロエは、基本的に下剤だと思ったほうがいいでしょう。

それも優しい下剤ではなく、刺激の強い下剤です。

アロエは、アントキラノン系と呼ばれる大腸刺激性の下剤であり、常用は危険です。

同じ生薬由来の大腸刺激系下剤で有名なのは、センナ。

僕はセンナを興味本位で飲んだことがありますが、腹痛とともに激しい下痢をしました。

センナを常用すると、腸の機能が著しく低下してくるため注意が必要ですが、アロエはセンナに次いで一般的な下剤であり、センノシドというセンナと同じ有効成分を含んでいます。

大腸刺激系(アントキラノン系)の下剤は共通する成分を含んでいて、肝機能障害、腎障害、膵臓炎、皮膚障害などの症例があります。

以下、「健康食品中毒百科」から引用します。

アロエは、免疫力を向上させる、血糖値を下げる、整腸作用があるとうたわれ、便秘やダイエットに効果があるとテレビや雑誌で取り上げられ、錠剤やドリンク剤が健康食品として販売されている。各地の消費者センターに「下痢や腹痛が止まらない」などの苦情が寄せられているが、下剤だから当たり前である。(※1)

五十代の男性が健康食品に興味を持ち、マタタビ酒、ドクダミ茶、クロレラなどを愛用していたが、今回はキダチアロエを3cm幅の短冊状に切り10枚ほど食べた。翌朝から右季肋部痛が現れ受診した。すい臓酵素がいづれも高値を示し、内視鏡検査で十二指腸粘膜は浮腫状態で出血が所々に見られ内腔は狭小化、急性膵炎を合併した急性十二指腸炎と診断された。(※2)

3センチ幅のアロエを10枚って、、あんな苦いものよく食べれますね。

でも「健康にいいものは苦い」と信じて、我慢して食べている人はけっこういます。

ああ、そういえば、子供の頃「喘息に効くから」と言われ、ハチミツ漬けのアロエジャムを嫌々飲まされていたことを思い出しました。

とても不味かった記憶がありますが、、逆効果だったでしょうね。

基本的にすごく苦いもの、すごく不味いとじるものは、体が拒否している証拠です。

その感覚を無視しないほうが身のためだと思います。

子供はその辺敏感だから、嫌がるものを食べさせるなんてやめたほうがいい。

おすすめの便秘解消法

話がそれましたが、、アロエは下剤だということで、便秘があんまりひどい時に一回だけ飲むならまぁ大丈夫でしょう。

でも、健康食品として常用するのは逆効果なんじゃないかと思っています。

ちなみに、便秘の解消はけっこう簡単です。

下剤など使わなくても、以下の方法でほとんど良くなります。

1、良質な油(脂)をたくさん摂る(一日50~100gくらい)

2、カチカチの便ならマグネシウムサプリを飲む(便を柔らかくします)

3、下腹部や腰をじっくり温める(腸が動き出します)

よほど重度でなければ、これでだいたいお通じが改善してきます。

鍼灸院では初めの1回か2回は治療で出るようにして、その後は食事やセルフケアで治すように指導しています。

もちろん適切な食事や水分摂取、活動と休息のバランスなど、ごく当たり前の体調管理をしていることが前提ですけどね。

参考文献

『健康食品中毒百科』