タンパク質の解毒力~肉や卵に解毒作用がある~

detokkusutanpaku

デトックスにもタンパク質

デトックスにもタンパク質が重要です。

体内で解毒を行う酵素の主成分はタンパク質ですし、腸粘膜、肝臓、腎臓などで行う生体防御も、タンパク質なくしてはムリ。

時々、毒を避けて栄養不足になっている人がいますが、むしろ基礎的な栄養の充実を優先した方が良いと思います。

巷で言われる、大量に汗をかく、断食で宿便を出す、、などの方法は、その後になされるべきもの。

(身体に負担がかかりますし、ふつうは必要ないと思う)

身体には元々、水銀やカドミウムなどの重金属を排泄する機能が備わっています。

また、放射性物質なども重金属の一種として体外に排泄させることができるようです。

爪や髪の毛、尿などから重金属や放射性物質が検出されるのも、このような排泄力が作動している証拠。

逆に、重度の水銀中毒の人では、毛髪などへの排泄が少なくなることがあります。

おそらく『解毒力』が落ちているため、体外に排泄できないでいるのでしょう。

デトックスというと吸着作用のある食物繊維や抗酸化作用のあるバイオフラボノイドなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。

パクチーに水銀を排泄させる作用があることなどは、けっこう有名ですね。(それを聞いて畑にパクチーの種を播きました、笑)

でも、肉や卵にもデトックス効果があるといえば、信じるでしょうか?

身体の仕組みを考えると当たり前なんですが、この視点はけっこう大事だと思うので、ちょっと書いてみます。

特別なことをする前に

食品に含まれる「毒」を意識する人は、むしろ肉などは避けていることが多いようです。

確かに、畜産に使われている薬品、餌の農薬やポストハーベストなどは多少残存している可能性がありそうですし、マグロやクジラなど海洋で長期間生きる大きな生物ほど水銀濃度が高いので注意が必要です。

また、意外と知られていないことですが、主食の米に含まれるカドミウムの影響から日本人のカドミウム蓄積はかなり多いようです。

厚労省のサイト「食品に含まれるカドミウムQ&A」より引用

カドミウムは土壌又は水など環境中に広く存在するため、米、野菜、果実、肉、魚など多くの食品に含まれていますが、我が国においては米から摂取する割合が最も多く、日本人のカドミウムの1日摂取量の約4割は米から摂取されているものと推定されています。

また、妊婦に対してはイルカやクジラ、マグロなどの摂取について注意を促していますね。

妊婦の魚介類摂取と水銀に関する注意事項

このような一部の食品には注意が必要です。

でも、だからと言って少量の魚介類や畜肉に含まれる(かもしれない)微量の毒を避けることで栄養不足になってしまってはイケナイと思います。

むしろ解毒力を高めるためにも、脂質やタンパク質などの基礎的な栄養を充実させておくことが重要でしょう。

また、化学物質などは脂溶性の毒であり、脂に溶けて蓄積されると言われています。

だとすれば、良質な脂をたっぷりとって、糖質を控え、脂質代謝を優勢にすれば排泄されやすいはず。(脂が入れ替わりますから)

サウナで大量に汗をかく、断食して宿便を出す、、などは、その後の話であり、普通は必要ないと考えています。

栄養が充実していれば身体が元々持っている解毒機構が正常に働き、過度な蓄積を防ぎ、傷ついた細胞の修復や再生も活発に行われるから。

何か特別なことをする前に、そこを強くする。

十分な栄養を摂り、身体を動かし、夜は寝る。

そういった当たり前のことが最も重要だと思います。

重金属の悪影響

日本人の体内には、水銀、鉛、カドミウムの蓄積が多いようです。

水銀は魚、カドミウムは米、鉛は古い水道管などからの摂取が考えられます。

水銀やカドミウムは体内で亜鉛と置換してしまうことで、代謝に悪影響を与えます。

酵素などの本来亜鉛が入る場所に、ブラザーイオンである水銀が入ってしまうよう形で。

こうなると本来の酵素としての働きをしなくなり、代謝が低下してしまう。

最近はあまり使われないようですが、子供の頃に歯科治療で使ったアマルガム(水銀の合金)がずっと入っている人もいて、少しづつ溶けだしている可能性があります。

また鉛は、神経障害や、ヘモグロビン合成を阻害して貧血の原因になります。

ただし、こららの重金属類は体内に一方的に蓄積していくわけではなく、身体にはちゃんと、解毒・排泄する仕組みがある。

だから魚や動物性食品をやたらと怖がるより、タンパク質や脂質などの基礎的な栄養を充実させることが大切だと考えています。

システインとメタロチオネイン

食べ物から入ってくる毒は、まずは腸管で防御されています。

だから腸の粘膜が強いことが大切。

粘膜は組織の入れ替えが活発なところですが、タンパク不足だと材料不足で細胞の交代が鈍くなります。

すると粘膜が弱くなりますから、それだけ考えてもタンパク質が重要。

他に、解毒にかかわる肝臓の機能、排泄にかかわる腎臓の機能を考えても、基礎的な栄養素であるタンパク質が十分に必要でしょう。

この他、デトックスを得意とするタンパク質もあります。

それは『含硫アミノ酸』と呼ばれる、硫黄を含んだタンパク質。

メチオニン、システインなどの含硫アミノ酸は、重金属を吸着して無毒化する作用があると言われています。

特にシステインは、肉や魚、卵、ナッツ類などに多く含まれ、水銀、カドミウム、鉛、放射性物質などの重金属を吸着し、毒性を中和する作用がようです。

その意味で『肉や卵を食べるとデトックスになる』と言っても、あながち間違いじゃないと考えています。

また、含硫アミノ酸はメタロチオネインという、体内でデトックスに働くタンパク質の材料となります。

メタロチオネインは『重金属を吸着する働き』『抗酸化物質としての働き』を持つタンパク質。

特に肝臓、小腸、腎臓などで活発に働き、解毒と生体防御を担当しています。

メタロチオネインの活性にはシステイン亜鉛が必須だと言われますから、デトックスにはこれらの栄養素をしっかり摂る必要があるでしょう。

人の身体は太古の昔から重金属に晒されてきたため、このような解毒機構を備えているのだと思います。

何か特別なことをしたり特別な食品を食べる前に、基礎的な身体の機能を高めておくことがいちばん大切です。