ビタミンCは腎臓結石の原因になるのか?~ビタミンC有害説について~

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ビタミンCで結石ができる!?

ビタミンCの大量摂取は腎結石や尿路結石の原因になると言われることがあります。

でもこれは、間違いでしょう。

この説については疫学調査も行われており、

『一日のビタミンC摂取量が250mg以下の群と1,500mg以上の群との間に、結石発病率の有意な差が認められない。』

『むしろビタミンC摂取群の方が発症率が低い。』

このような結果が出ているようです。

1999年、ハーバード大学のウォルター・ウイレット教授は、8万5557人の女性を14年に渡って間追跡調査した結果を報告しました。それによると、一日250mg以下のビタミンCを摂取したグループと一日1.5g以上を摂取したグループでは、腎臓結石の発生率に違いは見られませんでした。

別の、4万5251人の調査では、一日1.5g以上を摂取したグループにおける腎臓結石の発生率は、それ以下のグループに比べて逆に低かったのです。

(ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く P.182より)

日本の厚労省もこの問題について『因果関係は証明されていない』としていますし、

特に腎障害患者において、腎結石の原因と考えられる尿中シュウ酸や尿酸排泄量を増加させる可能性がある。しかし、30 mg~10 g/日のビタミンC摂取が尿中シュウ酸排泄量に及ぼす影響を評価した研究の結果は矛盾しており、ビタミンCが実際に腎結石の発症に関与しているかどうかは明らかではない。

厚生労働省『統合医療』情報発信サイトより

こちらのオーソモレキュラー医の見解も、同じですね。

「ビタミンCを摂りすぎると腎臓結石や尿管結石になる」という誤った情報があります。実は、この情報を信じている医師や栄養士はとても多く、これが新しい問題を引き起こしています。そう、高濃度ビタミンC点滴療法は腎臓結石を起こすのではないかという心配です。結論を先に言いましょう。ビタミンCは腎臓結石を起こすどころか、むしろリスクを減らします。

統合医療でガンに克つより

そもそも、今までにビタミンC大量服用による結石発症の報告は今までに一件もないようです。

僕はべつだん『誰もが積極的にビタミンCを大量服用するべきだ』などと言うつもりはないのですが、身近にあり、安価で役立つものですし、最近ブログで紹介したこともあって、この辺の不安は解消しておきたいと思いました。

尿路結石の成分は「シュウ酸カルシウム」が多いとされています。(結石全体の4分の3)

確かにビタミンCの分解によって体内でシュウ酸ができますが、これによって結石が起こる証拠はない。

逆に、ビタミンCはカルシウムと結合してシュウ酸カルシウムの生成を妨げるほうに働くようです。

他にも、尿を酸性する作用、利尿作用などから、むしろ『結石を防ぐ働き』の方が強いと考えられる。

しかも尿路結石は細菌感染によって炎症が起きている部位に発生しやすいので、利尿作用があり尿が酸性になる「ビタミンC大量服用」をすれば尿路結石が起きにくくなるでしょう。

この『ビタミンCで腎結石になる』という話はわりと浸透しているらしく、医療関係者などから指摘されることがありますが、基本的に心配いらないと考えています。

間違いの多い有害説

ビタミンCについては、他にもいろいろな「有害説」があり、

例えば、

〇胃潰瘍になる

〇悪性貧血になる

〇流産や不妊症を引き起こす

〇DNAを傷つける

〇尿酸値が上がり痛風になる

などがありますが、どれもあまり信ぴょう性はないようです。

興味のある方は参考文献「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」に詳しく書かれていますので、ご一読ください。

ビタミンCはアスコルビン酸であり、弱酸性です。

これはオレンジと同程度、酢やレモンよりも弱い酸ですから、重度の胃炎や胃潰瘍を生じるほどのものではない。

胃酸はもっと強い酸ですしね。

ビタミンCがビタミンB12を破壊するという説(だから貧血になる)、DNAを傷つけるという説も、後に否定されました。

基本的な副作用は一度に大量摂取すると下痢をすること、少量では緩い下剤として作用することくらいでしょう。

他に、水に溶いて頻繁に飲む、タブレットを直接噛み砕くなどすると、酸で歯が溶ける「酸蝕歯(さんしょくし)」になる可能性があるので多少の注意が必要です。(酢やクエン酸などでも同じ)

歯のエナメル質は、酸で溶けますから。

胃炎や食道に炎症炎のある人も、炎症で過敏になった粘膜を刺激してしまうので摂取量には注意が必要だと思います。

飲み過ぎて嘔吐した、、という話も聞きますから、飲みかたによっては胃粘膜への過剰な刺激になるでしょうね。

ビタミンCは食品というよりは薬品に近いものではありますが、基本的に安全性の高いものです。

僕は、喫煙の習慣など酸化ストレスの強い環境にいる人、糖尿病や耐糖能異常のある人、糖質過剰摂取がやめられない(やめるつもりのない)人、慢性炎症のある人、風邪を引きやすい人や引いたとき、関節や靭帯に異常(あるいは弱さ)があり修復過程にある人、、このような人の健康レベルを高める選択肢として、ビタミンCが使えると考えています。

ビタミンCがこれらの問題を緩和、改善する助けになるからです。(もちろんタンパク質などの基礎的な栄養摂取が前提ですが)

ビタミンCの突出

ただし、一日10gを越える大量服用については「ビタミンCの突出」に気を付けたほうが良いかもしれません。

ビタミンCの突出とは、大量のビタミンCがあるときにビタミンEが不足していると、かえって活性酸素を生じるというもの。

藤川徳美先生の記事が参考になるのでリンクを貼っておきます。

ライナス・ポーリングの経験主義とビタミンCの突出

僕が調べた範囲では「Cの突出」についての情報は他になかったので、三石先生独自の理論かもしれません。

今現在、三石理論を勉強中なので、もう少し詳しく理解できたら、またこれについて書きたいと思います。

ビタミンCはビタミンEと相性がよく、体内で相補的に働きます。

共に抗酸化作用の強いビタミンですが、傷ついたビタミンEをビタミンCが修復し、逆に傷ついたビタミンCをビタミンEが復活させる。

また、ビタミンCは水溶性でビタミンEは脂溶性ですから、体内で活躍する場所が違うのでしょう。

血液中など水に溶けやすい所ではCが、細胞膜など脂溶性物質でないと入れないところではEが活躍するというように。

また、ビタミンEには血流を良くし、細胞膜を健康にする働きがあります。

細胞は『膜』を通して栄養のやり取りをしていますから、ビタミンEが細胞の栄養取り込みを助けるとも言える。

すべての栄養素は、細胞内に正常に取り込まれなければ意味がありません。

そのためには細胞膜が健康である必要があり、その意味で、ビタミンEは全ての細胞の健康に関与しています。

基本的に安全なビタミンCですが、このような「Cの突出」という考え方も踏まえ、特に10gを越える服用ではビタミンEを併用した方がいいかもしれませんね。

ちなみに、記事のタイトルになっている腎臓結石については、ミネラルの「マグネシウム」に腎結石を防ぐ作用があります。

結石の不安がある人はマグネシウムを意識して摂取するといいでしょう。

食品やにがり成分、サプリメントから一日300mg程度が摂取量の目安です。

マグネシウムはとても重要なミネラルなので、これについては、また別の記事に書こうと思います。

参考文献

「ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く」生田 哲 著

「脳細胞は甦る」三石 巌 著