ビタミンC
去年の夏ごろから、ビタミンCの服用を始めました。
きっかけは忘れましたが、はじめ試しに飲んでみたところ、妙に体が求める感じがした。
それで、頻繁にパクパクと錠剤をのみ込んでいました。
なんというか、、すっぱいものを食べたくなる時と同じ感覚でした。
不自然かな、サプリ中毒かな、などとも考えましたが、なぜか欲しくなる。
詳しいことは知らずにとりあえず飲んでいましたが、気になってビタミンCについて調べてみると、なかなかすごい物質であることが分かってきた。
今はビタミンCの実力、侮れないと思っています。
それ以来ビタミンCに開眼し(笑)、わりと多い量を日常的に摂るようになっています。
多い時は一日10gくらい飲んでましたが、これはちょっと多すぎたようです。
胃もたれ、夜間の頻尿、フラフラする感じ(低血糖のような)など、妙な体感があったので少し減らしました。
今は一日4~5gを一回1~2gづつ、毎日数回に分けて飲んでいます。
体感している効果
体感している効果としては、まず風邪を引かなくなったことが挙げられます。
元々そんなに風邪ひきやすい方じゃなかったのですが、子供ができてから子供の風邪を必ずもらってしまう、、という事態に困っていました。
患者さんからはめったにもらわないんですが、なぜか子どもの風邪はほとんどもらってしまう。
でも、ビタミンC使い始めてから風邪を引かなくなりました。
風邪ひいたかな、ちょっと怪しいな、という時には摂取量を倍くらいにして対処していますが、これがまた効く。
自分だけ、気のせい、たまたまかな、、とも思いましたが、風邪を引きやすい患者さんに勧めてもやっぱり効く。
ビタミンCはやはり、免疫力を高めてくれるようです。
うちの患者さんで、数か月皮膚科に通院して治らなかったウイルス性のイボがビタミンC摂取でぽろっと取れた、という方もいました。
もちろん根本的に健康状態を改善して自己免疫力を高めていくことが大事ですが、こういった気軽に使える対処法を持っていると重宝しますね。
レモン40個食分のビタミンC
ビタミンCは安価で手に入りやすく、かなり広範囲の健康効果を期待できます。
国の摂取基準では一日100mgとされていますが、これは、壊血病などの欠乏症を防ぐという視点で定められている量。
積極的な効果を期待するなら『グラム単位』の摂取が必要だと、栄養療法では言われています。(もちろん、そんな必要ないという意見もあります)
栄養学が主張するビタミンの必要量は、特にCなどではかなり多く、食品からではちょっと摂れない量だったりします。
例えば、動物実験などから導き出されたビタミンCの必要量は最低で2g程度なんだとか。
でも、一日2gのビタミンCを食品から摂るには皮をむいたレモンを40個食べる必要があります。
無理無理(笑)
もちろん自然な暮らしをしている健康な民族なども、そんなに大量のビタミンCを摂ってるわけありません。
おそらく身体には栄養を効率的にリサイクルする仕組みがあるので、必ずしもそれほど必要はないかもしれません。
ただ、病気や過度のストレスに対して、栄養で積極的に対処しようとするなら、そのくらい必要だとも考えられます。
ネガティブな体感
ビタミンCは基本的に無害なものです。
最近読んだ「ビタミンCの大量摂取が風邪を防ぎ、がんに効く」という本にも、副作用は一度に大量に摂ると下痢をすることくらいだと書かれていました。
でも、実際に大量摂取をしてみると、他にも多少の副作用があると感じました。
僕が体感したネガティブな作用は、
●頻尿
●胃もたれ
この二つです。
あまりたくさん飲むと、夜、何度もトイレに起きることになりました。
個人差があると思いますが、ビタミンCは利尿作用があるので、睡眠の質が落ちるような取りかたは避けたほうが良さそう。
それで夜や寝る前に飲むのはやめました。(記事を書いてて気づいたのですが、エスターCなど、ゆっくり吸収される脂溶性のビタミンCならこれは起きないかも。試してみようと思います。)
ビタミンCはアスコルビン酸、、つまり酸です。
胃もたれはたぶん、酸のせいでしょうね。
さほど強い酸ではないようですが、夜起きたときや寝る前に飲むと、朝胃もたれを感じました。
夜は胃の働きが停止するからかもしれません。
やはり個人差がありそうですが、胃に炎症が起きやすい人は夜間や空腹時の摂取に気を付けたほうが良いと思いました。
他に、これは謎なんですが、1日10グラムくらい飲むと甘酒実験をした時のような、低血糖のようなくらくらした感じが出ます。
ビタミンCはブドウ糖から合成され、ブドウ糖と似た構造を持っているようですが、関係あるでしょうか?
基本的にビタミンCの摂取でインスリンが分泌されることはないようですが、理由のわかる人、同じような体験をされた人がいたらぜひ教えてください。
あと、僕の患者さんで、風邪を引いたときに大量摂取して浮腫みが出たという人もいました。(深刻なものではなかったようです)
今のところ、ビタミンC大量摂取で体験したネガティブな反応はこれくらい。
メリットの方がはるかに大きいと感じています。
使えるものは何でも使う
僕は町の治療家であり、様々な健康上の悩みを抱えた人たちと毎日関わっています。
残念ながら何もかもたちどころに治せる『魔法のような技や能力』を持ち合わせていないので、サプリだろうと食事法だろうと使えるものはなんでも使う、という発想を持っています。
ですから、安全で安価で広範囲に効果が期待できるようなものは、とりあえず試すことにしています。
今まではビタミンやサプリというと、なんとなく抵抗がありました。
なんかそれ、不自然なんじゃないか、、という感覚です。
でも栄養について学ぶにつれ『これはけっこう使える』という見方に変わってきました。
もちろん普段の食事、普通の食材からの栄養摂取が基本であることは言うまでもありません。
でも、人によってはそれができない状況がある。
それは病気や体質によることもあれば、生活状況によることもあります。
『食事の改善はできません』
『じゃあダメですね。諦めてください。』
、、では困る。
だから使えるものはなんでも使うし、引き出しは多いほうが良いと考えています。
豊富な引き出しがあれば、相手に会わせて良い提案をできる可能性が高まるから。
今後、僕自身がビタミンの積極的な摂取を継続するかどうか、それはわかりませんが、なかなか役立つモノであることは間違いなさそうです。
~追記~
『ビタミンCの突出』
分子栄養学の三石巌先生は『ビタミンC10g以上の大量摂取にはビタミンEを併用するべき』と書いています。
10グラム~数十グラム単位で摂取するような場合は気を付けたほうが良いかもしれません。
僕が10gのビタミンCで感じた体調不良も、これと関係があったかもしれません。
参考文献
「ビタミンCの大量摂取が風邪を防ぎ、がんに効く」生田 哲 著
「健康自主管理のための栄養学」三石 巌 著