マグネシウムの効果と働き

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镁 マグネシウム

金偏に美しいと書いて、マグネシウムの意味。

「镁」

必須ミネラルであるマグネシウムは、中国語でこのように表記されます。

マグネシウムは体内で300種類以上の酵素の働きをサポートしています。

また、細胞内でブドウ糖をエネルギー化するときにも必須。

これが不足すれば代謝に異常が出るため、メタボリックシンドロームの一因になるようです。

漢字が示すように、マグネシウムは代謝を助けて「メタボ化」を防ぎ、身体や皮膚を健康に美しく保つミネラルだと言えます。

ちなみにメタボリックは「代謝の」という意味で、メタボリックシンドロームは「代謝異常症候群」つまりエネルギー代謝が上手く行ってない病態を意味しています。

今日は、意外と認識されていないマグネシウムについて少し書いてみます。

マグネシウムの効果と働き

『マグネシウム健康読本』と言う本には、マグネシウム不足が高脂血症、糖尿病、高血圧と関係があり、マグネシウムの摂取で改善すると書かれています。

他にもマグネシウムには、不整脈、アトピー性皮膚炎、水虫、骨粗鬆症、尿路結石、PMS(月経前症候群)、口内炎、慢性疲労、ストレス性の症状などを予防し、改善する働きがあるそうです。

また、マグネシウムが不足すると耐糖能、つまり糖の処理能力が低下してしまう。

そして糖尿病の人ではマグネシウムの排泄量が増えてしまうので、余計に不足しやすいようです。

著者が実際に2型糖尿病の患者さんの協力を得てマグネシウムを一日300mg飲んでもらったところ、耐糖能の改善が確かめられましたと書かれていました。

僕はこの本を読んでからマグネシウムの重要性を認識し、糖尿病や予備軍の患者さんにはにがり液やマグネシウムサプリを勧めるようになりました。

主要ミネラルであるマグネシウム

今のところ、身体が必要とするミネラルには16種類あることが知られています。

ミネラルって何??~16種類の必須ミネラル~

2016.03.11

必須ミネラルと呼ばれる16種類のミネラルの中でも、毎日100mg以上必要なミネラルを「主要ミネラル」と呼びます。

マグネシウムは、その主要ミネラルの一つです。

主要ミネラルは必用量が多いので、毎日の食事から十分に摂る必要があります。

厚労省の食事摂取基準によると、成人の摂取目安量は一日270~370mg程度。

しかし過去に行われた調査によると、日本人では一般的に100mg以上不足しているそうです。

特に、糖質制限食ではマグネシウムが不足しやすいと思います。

一つは脂質の摂取量が多くなること。

糖質を控えた分脂質を十分に摂ることが大事ですが、脂質の摂取量が多いとマグネシウムの吸収率が落ちます。

また、肉、卵、チーズなどにはマグネシウムが少なく、特に乳製品を多く摂るとカルシウムとのバランスから、相対的にマグネシウム不足になってしまう。

マグネシウムとカルシウムは拮抗関係にあるミネラルで、摂取量は1:1が理想です。

このバランスが乱れると、せっかく摂取したミネラルが体内でうまく働けません。

乳製品を日常的に食べている人はカルシウム不足の心配はないと思いますが、他にマグネシウム豊富な食材を摂っていなければ相対的にマグネシウム不足になっているかもしれません。

こむら返りとマグネシウム不足

糖質制限を始めた頃に出やすい症状として「足がつる」「筋肉の痙攣」などがあります。

俗に「こむら返り」と呼ばれる症状です。

この症はマグネシウム不足と関係があると考えられていて、実際にマグネシウムサプリで改善する人が多いです。

(この他、低糖質に適応できず筋肉がエネルギー不足に陥っていることも考えられます)

マグネシウムには筋肉や神経の異常な緊張を緩める作用があります。

逆に、マグネシウムが不足すると、筋肉の痙攣が起きやすくなる。

また、マグネシウム不足は片頭痛の原因にもなっているようですが、おそらく血管の収縮や神経の緊張状態が起こりやすくなるからだと思います。(やはりマグネシウムの摂取で改善する)

肉、魚、卵、チーズなどをたくさん食べる食事法は、全般的には栄養不足になりにくいのですが、マグネシウムに関しては気を付ける必要がありそう。

特に、肉などの動物性食品専門で、野菜、海藻、ナッツなどの植物性食品を一切食べない人は不足しやすいと思います。

マグネシウムは動物性食品に少なく、豆類、ナッツ類、雑穀、小麦胚芽、緑色の野菜、海藻に多く含まれているからです。

動物性食品だと一部の魚介類(煮干し、干しエビ、スルメなど)以外では比較的少ない。

また、毎日脂質を大量に摂っているとマグネシウムの吸収率が下がるため、不足しやすいようです。

これはマグネシウムが消化のプロセスで油脂と結合してしまい、吸収されずに排泄されるからでしょう。

マグネシウムが不足しやすい日本人

ミネラルといえば鉄やカルシウムが有名ですが、マグネシウムについてあまり知られていません。

でも、多くの代謝に関わっているマグネシウムは非常に大切で、僕が普段の食事で最も意識しているミネラルの一つです。

(他に、鉄や亜鉛が多く含まれる食材を積極的に摂っています)

過去に行われた調査では、一般的に日本人のマグネシウム摂取量は必要量よりも100mg以上も不足しているという結果が出ていて、この傾向は「食の欧米化」が原因だとも言われますが、加工食品や精製食品の多用とも関係が深そうです。

また戦後、塩化ナトリウム純度の高い精製塩が普及したことも一因でしょう。

天然塩に含まれるにがり成分は、マグネシウムそのものだからです。

そもそも日本の土壌にはマグネシウムが少なく、水道水やミネラルウォーターの多くが軟水になっています。

ヨーロッパなどのマグネシウム豊富な土地よりも、日本人はマグネシウム不足になりやすい環境にあるようです。

マグネシウム豊富な食材

糖質制限では糖質の少ないナッツが推奨されていますが、ナッツもマグネシウムが豊富な食材の一つ。

100g当たりのマグネシウム含有量(mg)は、

アーモンド    270
松の実      250
カシューナッツ  240
らっかせい    200
くるみ      150

となっています。

ナッツは低糖質であるだけじゃなく、ミネラル源としても重要なんですね。

他に、動物性食材でなどはマグネシウム豊富な食材は、

干しえび              520
煮干し           230
たたみいわし   190
するめ                   170
いわし(丸干)     100
あさり                  100
いくら                    95

など。

植物性の食材では豆類、特に大豆はマグネシウムをたくさん含んでいますから、豆腐や納豆、味噌などは良質なマグネシウム源です。

また、緑色の野菜や海藻に含まれるクロロフィルという色素はマグネシウムを含んでいます。

なので緑を見たらマグネシウムだと思っていいでしょう。

(※このサイトにマグネシウム豊富な食材が載っています)

マグネシウムの多い食品一覧表

にがり液のすすめ

食材以外でのマグネシウム補給法として、にがり液がおすすめ。

にがりは塩化マグネシウムですが、吸収されやすいと思います。

我が家ではこれを使っています。(近所で売ってるから)

マグネシウムに限らずミネラルは「イオン化」された状態で効率よく吸収されます。

イオン化とは、ミネラルが水に溶けた状態です。

にがり液はイオン化されたマグネシウムなので、より吸収されやすいと思います。

ちなみに「にがりでタンパク質が凝固してしまうから危険」という話を聞いたことある人がいるかもしれませんが、これは嘘なので心配ありません。

にがりは豆腐を固めるためにも使われますが、豆腐が固まるのはタンパク質の凝固ではなくて「ゲル化」という反応によるもの。

ゼリー、寒天、コンニャク、ゼラチンなどと同じような状態であり、タンパク質が変性したわけじゃありません。

(タンパク質の凝固は、熱や酸などで変性した時に起こります)

にがりで身体のタンパク質が凝固するから危ないという話は、どうやら自社の天然塩を売りたい業者が考えたまことしやかな売り文句だったようです。

僕は毎日、飲み水やお茶、お酒などににがり液を数滴たらして飲むようにしています。

そのままのむと苦いので、薄めて飲むことをおすすめします。

不思議なもので、水でもお茶でもお酒でも、味がまろやかになっておいしくなります。

これは、ミネラルを美味しく感じることの他に、マグネシウムに水のクラスターを小さくする作用があるからなんだとか。

水クラスターの小さいに飲み物は、吸収されやすいかもしれません。

マグネシウム豊富な塩

もちろん天然塩にもにがり成分が含まれていて、僕の知っているものではぬちまーすがダントツにマグネシウム量が多いです。

その次が、雪塩。

最近はスーパーでも売られていますね。

いづれも特殊な製法で作られたパウダー状の天然塩ですが、美味しい塩なので味付けに使っています。

そうそう少し前に遠方から来た患者さん、僕のブログでぬちまーすを知り、水に溶いて「ぬちまー水」を作って飲んだところ、長年の皮膚炎が治ってしまったとおっしゃっていました。

おそらく、ミネラル不足だったのでしょうね。

それもそのはずで、マグネシウムは皮膚の健康維持にも役立っています。

海水浴でアトピーが改善したという話をよく聞きますが、これもマグネシウムが一因しているかもしれません。

うちの子も1歳から半年ほど出ていた乳児湿疹が、2回の海水浴で一気に改善しました。

僕のところは海が近いのでサーファーの患者さんが良く来ますが、いつも日焼けしているのにみんな肌がすべすべ。

もしかしたらこれも海水のマグネシウムが関係あるかもしれません。

海水のミネラルのうち、ナトリウムに次いで多いのがマグネシウムですから。

とにかく、マグネシウム重要。

毎日の生活の中で十分に摂取できるよう意識してください。

もちろん、サプリメントも有効だと思います。

鍼灸院では、便秘、こむら返り、片頭痛、糖尿病などの患者さんにはマグネシウムサプリを勧めています。

マグネシウムサプリは、いくつか試した中ではこれがいちばん飲みやすいです。

便秘の解消であれは一日500mgくらいから始めて、便の様子を見ながら徐々に増やします。

スッキリ出るというよりは、弛めの軟便になります。

量は一日2000mgくらいまでなら、毎日飲んでも大丈夫でしょう。

マグネシウムは摂取量が多ければ腸管からの吸収が抑制されますし、腎機能が正常なら過剰な分は排泄されてしまうからです。

(※腎機能に問題がある人は注意が必要)

こむら返りや片頭痛の改善、糖尿病などには、他の食習慣も考慮して250~500mgがめやす。

経験の中では、こむら返りは特に改善率が高いです。

ただしサプリの服用には一つ注意点があります。

アルカリであるマグネシウムは胃酸を中和してしまうので、食事から3時間くらいは空けて飲んだほうが良いでしょう。

胃酸を薄めてしまったら、食事の消化吸収が悪くなってしまいますから。

このようなことも考えると、できればサプリメントより日常的に食材から十分に摂ることが望ましいでしょうね。

参考文献

「マグネシウム健康読本」横田 邦信 著