味覚を守る~代替甘味料について~

amamidati

甘味を断つ

健康な人にとって、少しの糖質を避けることより、強い甘みを避けることの方が重要な意味を持つと考えています。

強い甘味の常用は味覚を壊し、味覚の破壊は健康全般の破壊につながるからです。

甘味料を使わなくても『食べるに適した食材』の多くに、程よい甘味があります。

しかし日常的に甘味料を使っていると、その甘みを感じられなくなる。

逆に、甘味料を一切使わない生活を続けていると、ほとんどの食材に十分な甘さを感じるようになります。

これは、しっかりとした『甘味断ち』を実行した多くの人が体験していること。

それが本来の味覚です。

これがない人は、鈍っているんです。

代替甘味料は是か非か

糖質制限実践者の間では、代替甘味料の是非について意見が分かれていますね。

僕は、基本的に使わない方針です。

なぜなら強い甘味が、重要な感覚である『味覚』を壊すから。

血糖上昇のあるなしに関わらず、僕は甘味料を勧めません。

味覚についてはあんがい軽視されているようですが、健康面の自立や予防を考えたとき、重要な感覚だと思っています。

味覚が正常であれば、感覚的に、自分で、『食べるに適したもの』を選べるから。

これなしでどうやって健康を維持するというのでしょうか?

あれこれ知識を覚えるよりも、重要なことだと思います。

健全な味覚を育てる

僕は、自分の子供に厳密な糖質制限をするつもりはありませんが、強い甘味は極力与えないように心がけています。

糖質も、世間の一般的な水準と比べたらはるかに少なくしていますが、そこはほどほどで良い。

代謝が活発であればいいわけで『糖質=悪』という考えはありません。

ただし糖質過剰の食生活を続ければ、栄養失調、代謝障害、糖質依存、、様々な弊害が出ることは心得ています。

そうならないように気を付けながら、強い内臓と健全な味覚を育ててやりたい。

砂糖などの強い甘みはそれを壊から避けている。

ラカントなどの代替甘味料も、同じ理由で使わないことにしています。

甘味と脾臓

ここまで書いたことには東洋医学的な考え方が入っています。

東洋医学では昔から、強い甘味が脾臓と腎臓を壊すと言っている。

東洋医学は五臓と五味を対応させ、治療や養生に応用します。

五味とは、酸、苦、甘、辛、鹹の五つの味のこと。(鹹・カンは塩辛いの意)

それぞれ、肝、心、脾、肺、腎の五臓に対応していて、適度な味は五臓を養い、過ぎれば壊すと言われているんです。

中でも脾臓は甘味に対応し、栄養の消化吸収や全身への分配を担当する重要臓器。

現代で言う膵臓や胃、小腸などの機能に近いものです。(イコールではない)

甘味料を断つと穀物や野菜はもちろん、肉でも卵でもチーズでやバターでも適度で十分な甘味があることがわかります。

この甘味は東洋医学が言うところの脾臓を養う甘味です。

東洋医学的には脾臓が栄養を吸収し全身に分配するわけですから、これは全身の細胞を養う甘味だと言うこともできます。

甘味と腎臓

甘味は脾臓を養い、氣を補給するという考えから、漢方などで薬として飴を使うこともあります。

だから飴が良いと言うことじゃなく、それは薬として使っている。

また、甘味が過ぎると脾臓だけでなく、病が腎臓に波及します。

これは五行の理屈で、土(甘味)は水(腎臓)を剋すから。

剋すとは、弱めることです。

実際に、糖尿病では『糖尿病性腎症』が起こりやすく、科学的じゃありませんが、経験的にもこの理屈は合う。

また、東洋医学の腎臓は解剖学的な腎臓の他に、生命力全般を指しています。

つまり、腎臓が弱ると生命力が落ちるということ。

寿命も短くなりますし、ボケやすくもなります。(脳も腎の支配)

ちなみに東洋医学では骨、歯、唾液、体液、耳、脳、骨髄、腰、髪の毛などは腎臓が主るもの。

腎臓が弱るとこれらが弱ったり、症状が出るとしています。

また、老化現象は全般に腎臓の弱り。

腎は『志』を主るとも言われ、弱ると気力が萎えてきます。

僕は鍼灸師であり東洋医学領域に生きているので、このようなものの見方を基礎として持っていますが、この見方からすると血糖値を上げなくても強い甘みはNG。

できるなら、避けたほうが良いと思います。

治療手段としての代替甘味料

もちろん、治療の手段として砂糖をラカントなどの甘味料に変えることなどを否定するつもりありません。

糖尿病の人や耐糖能に異常をきたした人が緊急避難的に人工甘味料やエリスリトールなどを使うことは、重症化を防ぐためにも回復するためにも有効だと思います。

また、重度の砂糖依存で急にはやめられない人にとっても、段階的にやめていくための助けになるでしょう。

それを否定したいのではなく、その先にある、自然と健康を維持できる食習慣を養うために、甘味料の扱いは慎重になったほうが良いということ。

育児においても自然と健康を維持できる味覚を養うために、甘味料は何であれ邪魔になると考えています。

たまにならいいか?少しならいいか?

と聞かれることもありますが、習慣にならない、味覚が変わらない程度が許容範囲でしょうね。

2歳半の自分の子供には甘味料を文字通り一切与えていませんが、この先もずっとそれを続けることはおそらく不可能。

でも、三つ子の魂百までと言いますし、初めの3年くらいの味覚形成が一生の嗜好に影響すると考えて特に気を付けています。

そうは言っても、現実に甘味料ゼロを実践するのは難しい人が少なからずいることも理解しています。

僕も状況によって、患者さんにラカントをすすめることがあります。

ここに書いたのは一つ視点であり、考え方。

現状に合わせ臨機応変にしていただければと思います。