子供の精神疾患
時々、子供の精神疾患に関する相談を受けることがあります。
まぁ「鍼灸で治りますか?」という趣旨の相談なんですが。
そういう時に栄養面の話をすると、それっきりになることが多いです。
鍼灸師が何言ってんだ?と思うのかもしれませんし、単に習慣を変えたくないのかもしれません。
相談してくるのはだいたいお母さんですが、
食事に問題がある=お母さんの責任
ということになりますので、そうは思いたくないのかもしれません。
でも、相談中に待合室で他の兄弟が、お菓子にジュースを与えられて待っていたりする。
お母さん自身が重度の鉄・タンパク不足だったりする。
お父さんが「お糖さん」だったりする。
よくあることですが、それが症状と関係ないとは思えないんです。
でもなかなか、伝わらないんですよね。
栄養の重要性を知らない医者
こういう話がなかなか伝わらないのは、医者が言うことと違う、というのも大きいのでしょう。
できれば一般の病院で、ビシッと指導してほしいものです。
でも、今のところ医師の間では『栄養なんて関係ない』という認識が一般的。
何でも医学部では栄養学を習わないから、知らないんだとか。(鍼灸師も習わないけど)
しかも既存の、カロリー理論中心の栄養学は治療上あまり役に立ちません。
ところが実際には、栄養不足によって様々な精神症状を呈する子供がけっこういます。
不足の兆候が心身や行動にはっきり出ていますし、食事の改善をすると症状も改善するので、それが原因だったとわかります。
うつ病、双極性障害、統合失調症、発達障害、アスペルガー、注意欠陥多動性障害、、
精神症状に対するいろんな呼び名がありますが、診断を下されるとショックを受ける反面「病気だからしょうがない」という意識になるようです。
どこか、病名に救われるような。
そして、自分のせいではない、自分では治せない、医者にかかるしかない、薬を飲むしかない、という感じになる。
それで治ればいいのですが、長引いて苦しんでいる人が多い。
だって名前付けて分類したところで、状態は変わらないでしょう。
病院の治療法は、ほぼ投薬です。
でも心の病は薬では治りません。症状は抑えることができても。
治らないどころが、薬がないと落ち着かない状態になっている。
副作用もあるからいろいろな症状が出てきます。
後から良くないと気付いて断薬に苦しんでいる人も少なくありません。
断薬すると離断症状が出る。
薬は一時、症状を緩和するだけ。
目先の緩和を続けて薬漬けと言ってもいいような状態の子供や若者を見ると、精神科医は何やってんだ、と思う。
症状を薬物で鎮静化させることを続けても、子供の未来は拓けないでしょうに。
鍼灸が効かない
一般的には精神科(心療内科)で投薬治療を行うことが多いようですが、僕は、子供に精神薬を飲ませることには反対です。
必要だとしても、放っておいたら自殺したり殺人をしてしまうようなときだけじゃないかと思う。
あるいは必要最低量を慎重に使いながら、速やかに根本的な原因を除去するとか。
なんでもそうですが、問題が起こったら『なぜそうなったのか』を考える必要があります。
そして子供の精神症状の場合、親子関係や生活環境はもちろん、栄養面も欠かせない要因だと思います。
今現在の栄養だけではなく、子供が生まれる前の親の栄養状態を含めて。
親の栄養状態が悪いと産後にメンタルが不安定になったりするので、それも発育上良くないでしょう。
具体的なことを書くのためらわれるのですが、長期間精神薬を使っている人は一目でわかります。
なぜか鍼灸があまり効きません。
詳しい作用機序は知りませんが、使われているのは一種の麻薬なのでしょう。
鍼灸は、反応の鈍い人には効果が出にくいんです。
弱い薬だから大丈夫?
そして、精神薬を使っている子供がけっこういる。
たとえば落ち着きのない子に鎮静化する薬を与えて、しばらく落ち着いたとします。
医者や親にとって、それは治療が上手く行っているのでしょう。
でも、やがてそれでは効かなくなって、もっと落ち着かなくなたりする。
成長期に脳に作用する薬物を使うことの影響を考えると、暗い気持ちにしかなれません。
親にそのことを指摘すると「弱い薬だと聞いた」「頓服だから」など、お決まりの答えが返ってきますが、僕は「弱い薬」を長期服用している人がどうなっていくか、知ってる。
もちろんすべてを知っているわけじゃありませんが、悲しい実体験が少なからずありました。
これを話していると、本当につらくなります。
子供に精神薬を飲ませるのは、親が精神的に楽になる為でしょう。
その結果、子供の人生を破壊していると言ったら、言いすぎでしょうか?
(※すでに長期服用している場合、急にやめるのは危険なので専門家に相談してください)
精神医療に投薬以外の治療法が広まってくれたらと、切に思います。
そして食事療法や栄養療法は、かなり有効な治療手段になるはずです。
この記事を読んでいる親御さんで、子供の精神症状に悩んでいる方がいたら、ぜひ栄養的アプローチを取り入れ下さい。
この問題(栄養と精神疾患)に関しては、藤川徳美先生の記事がとても参考になります。
栄養ですべてが解決するかどうか、わかりませんが、なにしろ具体的に取り組みやすいことですから、まずやってみるべきだと思います。
ちなみに僕のところでは、食事の改善を徹底する意思がある場合だけ引き受けることにしています。
親が本気じゃないと、治らないですから。