子供の糖質制限
子供を糖質中心食で育てている親はたくさんいます。
というか、ほどんどがそうです。
でも糖質ばかりの食事のでは発育に必要な栄養が十分に摂れませんから、心身のトラブルを生じやすくなります。
ただ、子供の糖質制限については賛否両論ありますね。
僕は『糖質まみれにしない』という意味で、子供の糖質制限を支持しています。
糖質過剰=低栄養となり、正常な発育に影響するだけでなく様々な病になりやすくなるから。
ただし、あまり厳密にする必要はないと思うんですけどね。
急には変われない
さて、幼い子供を持つ親御さんが糖質ばかりの食事ではいけないと知り、糖質を控えて肉や卵などの動物性食品を重視した食生活に切り替える時、注意してほしいことがあります。
それは、子供だって急には変われないということ。
今までほぼ糖質食で、今日から肉卵チーズだけ、糖質なしとか本当にやる人がいますが、それは無理。
大人が自分の意思でやるならまだいいですが、子供にそれをさせるのはかなり酷なことです。
例えば子供が4歳だとします。(特定の誰かのことを言ってるんじゃなく、てきとうな例えです)
お母さんの食生活も元々糖質中心、動物性食品が少なく、貧血体質、妊娠中に低栄養状態であり、母乳も低栄養でした。
もちろん離乳食は一般に勧められているおかゆや野菜のスープから始め、そのまま果物やお菓子をおやつに与えてきた。
そして肉や卵や魚を食べたがらず、甘いものばかり欲しがる。
そういう状態、環境で育ってきた子供がいたとします。
この子の親がある日、糖質制限・積極肉食に目覚めた。
体に悪い糖質は一切排除!
肉・卵・チーズ・魚・レバー・バター!!
今までの慣れ親しんだ食事が突然こうなる。
これはあなたのためなんだと。
でも子供は、まず適応できないんです。
それは単純に、消化器官が強く育ってないから。
食べられない状態だから食べない
この子はおそらく、発育状態が悪いはずです。
胎内にいる時から慢性的な栄養不足ですから、骨格にしろ内臓にしろ、良好な発育は難しいでしょう。
口(顎や歯や唾液腺)食道、胃、膵臓、小腸、消化液を分泌する組織、肝臓、、
こういった消化吸収と栄養物の代謝に関する臓器の機能が弱い可能性が高い。
するとどうなるか。
肉は無理、固くて噛めない、脂は無理、匂いも食感も気持ち悪く感じます。
だから食べない、嫌がる、泣く、隠れてお菓子を食べる。
たぶんこういう状況が、世の中にはけっこうあると思う。
まずは消化力の回復
この子の食事をどうしたらいいか、今までの誤りに気が付いた親は本気で悩むでしょう。
何とか食べてくれないかと、心乱れ、不安とイライラが交錯して発狂寸前になるかもしれません。
成長期に必要な栄養素を十分に摂取るためには、はやり動物性食品が必要です。
でもタンパク質や脂肪が豊富で、それに含まれるビタミン・ミネラルの豊富な食品を消化吸収するには、正常で強い消化吸収能力が必要なんです。
だからまず、それを育てる。
栄養不足によって低下した消化力は、少しづつ栄養を充実させることで徐々に強くなってきます。
だから食習慣を短期間にガラッと切り替えず、今までの食事に少しづつ、子供の反応を見ながら肉や卵やチーズや魚介類などを足していく。
相手(子ども)の出方、反応を見ながら徐々に変えていくことをお勧めします。
子供の身体は成長に必要な栄養素を求めていますから、無理に食べさせなくても、やがて自分からもりもり食べるようになるはず。
肉は嫌だ、野菜は嫌だと嫌がるのも本能なら、それを欲しがるのも本能です。
胃腸の強い子供は肉や卵をもりもり食べますし、不思議と野菜もバリバリ食べていたりします。
調理法や食材選びの工夫をしながら徐々に栄養不足を改善していけば、やがて胃腸の働きも正常になってきます。
親としては食べさせることに注力するのではなく、よく食べる「状態」を作ることに心を砕く。
そして『大好きなお肉』をたっぷり与えることで、相対的に糖質摂取が少なくなるように誘導したらいい。
子供は自然な欲求として甘味を好みますが、栄養が充実してくれば代謝が正常化し、炭水化物やお菓子ばかりを欲しがる状態は無くなってくるはずです。
ただし、肉を食べられない状態から積極的に食べるようになるまで、弱っていた消化力が高まってくるまでには半年~数年かかると思います。
逆にそのプロセスと時間を経ず、急な方針転換で無理やり食べさせようとしすれば食べることに関するトラウマができてしまうかもしれない。
無理やり食べさせられた経験を持つ子供は、食べることに嫌悪感をいだくようになることさえありますから注意が必要だと思います。