変化に気づく
藤沢は数日前から涼しくなりました。
まだ8月半ばですが、秋が始まったようです。
秋は肺の病を生じやすいので、喉や鼻の風邪に気を付けてくださいね。
季節の変化の兆しは、ちょっと空気が変わるとか、草の香りが変わるとか、小さな変化として現れますね。
患者さんとの会話で『秋になりましたね』と言うと、
『そうですね!』という人と『まだまだ暑いです!夏ですよ!』という人とがいて面白い。
変化の感じ方は人それぞれです。
身体の変化も同じで、多くの場合、小さな変化から始まり、少しづつ変わってきます。
そして、それを自覚するタイミングは人それぞれ。
治療効果を自覚するタイミング
胃腸虚弱が悩みの人の腹診をすると何割かの人は固いお腹をしています。
腹筋で硬いわけじゃなく筋肉があまりないのにシコリ状の固さがあったりする。
例えば、へその周りにしこりのようなものがあって、ごつごつと手に触れる『何か』がある。
そういう場合、鍼灸では固さを緩める治療をしますが、だいたい2回目の治療の時には柔らかくなっています。
その変化を確認して『よし良くなってるな』と思うのですが、不思議と本人は気づいていないことが多い。
僕から見たらはっきりした変化なのですが、その時点では体調の変化を感じていない。
しばらく治療を続けてから、例えば半月後とか一か月後くらいに『胃腸の調子が良くなりました!』と言われるようなことがままあります。
このように、自覚症状や体調の変化が起こるだいぶ前に体は変わり始めています。
プロや一部の敏感な人以外は感じにくいようですが、これは大事なことだと思うんです。
小さな変化を積み重ねる
食事や栄養の改善についても同じことが言えて、小さな変化の積み重ねとして大幅な体調の改善や病気の治癒があります。
鍼灸院に通おう、食事法をやろう、などという人はたいてい解決したい悩みを抱えています。
そして意識が悩みにフォーカスしているので、小さな変化を見逃していることが多い。
でも、小さな変化が積み重った結果として悩みの解決があるのだから、着実に小さな変化を起こすこと、そしてその継続が大切なんです。
特定の症状が治るという結果より、むしろ問題解決に至る過程が大事。
小さな変化の体験を丁寧に積み重ねていくことは特定の悩みの解決だけでなく、長期的な健康維持につながると思います。