東洋医学的 8つの体質タイプ ②湿邪 乾燥 寒邪 熱邪

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続・東洋医学の体質

前回の記事では東洋医学的な体質のうち、

気虚、血虚、気滞、瘀血について説明しました。

東洋医学的8つの体質タイプ ① 気虚 血虚 気滞 瘀血

今回はその続き、

湿邪、乾燥、寒邪、熱邪、それぞれのタイプについてご説明します。

これは簡単に言うと体質が正常な状態と比べて、

「湿っている」「乾燥している」「冷たい」「熱い」

このような状態に偏りやすい体質傾向だということです。

5.湿邪タイプ(水はけが悪い)

湿邪タイプは「痰湿」「水毒」などとも呼ばれ、

身体の水はけの悪い状態を意味しています。

水分が体内で滞り、正常な生理機能を邪魔している状態です。

湿邪タイプの人には一般に、次のような症状が現れます。

湿邪タイプの特徴

●下半身が浮腫む

●水太り

●胃のあたりで水がポチャポチャ音を立てる

●下痢や軟便になりやすい

●べったりとした不快な汗をかく

●雨の日や梅雨時に体調を崩す

●体や気分がいつも重くだるい

湿邪の原因は冷たい水分の摂りすぎ、清涼飲料水の飲みすぎ、

お酒やビールの飲みすぎ、湿気の多い環境、、など。

つまり冷やすこと、水分を取りすぎることが湿邪を作り出します。

しかし身体の水はけが悪くなり、水分調節に異常をきたす背景には、

栄養不足があることを見逃してはいけません。

特にタンパク質不足、ミネラルの不足やアンバランスがあると、水分調整に問題が起こります。

たんぱく質は細胞内や血液中の水分の保持に重要で、不足するとむくみを生じます。

また、糖質の摂りすぎも体液循環や浸透圧に影響を与えて、浮腫みを生じます。

実際に高タンパク・低糖質な食事にすると、短期間に浮腫みが解消する人が少なくありません。

6.乾燥タイプ(水分不足)

乾燥タイプは「陰虚」(いんきょ)とも呼ばれ、

身体の水分や潤いが足りない体質傾向のこと。

このタイプの人は、肌や髪の毛、目、口の中が乾きやすい傾向があります。

便の水分も少なくなるので便がコロコロと硬くなり、便秘しがち。

粘膜が乾燥するため、のどを痛めやすかったりもします。

乾燥タイプの人は一般に、次のような症状が出やすいです。

乾燥タイプの特徴

●肌が乾燥してカサカサする

●冬に手の甲やかかと、指先が荒れる

●爪が乾いて割れやすい

●夏でも洗顔後に肌が突っぱる

●目が乾く

●のどが弱く、空ぜきが出る

●便が硬くて便秘しやすい

●頭皮が乾燥してフケが多い

乾燥タイプは、血虚タイプと重なる部分が多いです。

血(けつ)は全身を栄養すると同時に、潤いを与えています。

血が不足すると皮膚や細胞が水分を保持できなくなり、乾燥してくるんです。

ですから乾燥しがちな体質の背景には、血液の栄養不足があります。

一般的に「乾燥には保湿」が行われていますが、

不快な症状を軽減するためには役立っても、根本解決にはならないことが多い。

なぜなら、乾燥タイプは水分を保持する能力が低下した状態だから。

外から補うことより、内側の能力を高める必要があります。

7.寒邪タイプ(冷え性)

東洋医学では、寒さと熱さが病の大きな原因になっていると考えます。

傷寒論という医古典があって、

まるまる一冊「寒にやぶられた病」(傷寒)について書かれているほど。

これは漢方薬を扱う人ならだれでも勉強する重要な古典テキストです。

それだけ臨床的には「寒にやぶられた」人が多いということでもある。

寒邪タイプの人は、自分自身が冷えやすい体質であると同時に、

外界の「寒」に損傷を受けやすい体質傾向を持っています。

そのため、次のような症状が出やすくなります。

寒邪タイプの特徴

●冷え性で寒がり

●冷房が苦手

●冬や寒い日に体調を崩しやすい

●体温が低い

●手足、腰や下腹部が冷える

●温めると気持ちよく感じる

●暖かい食べ物や飲み物を好む

●元気がない

●顔色が悪い

●冷えると関節が痛み、温めると改善する

一般的には、寒さや冷たいものの取りすぎ、

足腰を冷やすような服装が「冷え性」の原因だとされています。

確かにこれらの症状が出ているなら、

冬の寒さや冷房、冷たい食べ物や飲み物、足腰を冷やす服装、

このような「冷える」要因は避けたほうがいいでしょう。

ただし、これらを避け、いくら温めても冷え性体質は改善しません。

なぜなら外の寒さではなく、

「熱を生み出すことができない」「外の寒さに適応できない」

このような身体の状態そのものに問題があるから。

寒邪タイプの多くは、気虚、血虚、瘀血の要素をあわせ持っています。

ですから栄養不足の改善や十分な休養、適度な運動をすることが大切。

気血が充実し、基礎代謝が高まり、血液循環が良くなってくると、

冷え性は本格的に改善してきます。

8.熱邪タイプ(余分な熱がたまる)

熱邪タイプは、身体に余分な熱がたまりやすいタイプです。

正常な体熱を「生理的な熱」と言いますが、熱邪の熱は余分な熱。

これが適切に発散されず、体内にこもってしまう状態です。

そのため、このタイプの人は暑がりで顔が赤くなりやすい。

のどが渇いたり、冷たいものを好んだりする傾向があります。

熱邪タイプの人の特徴は、次のようなもの。

熱邪タイプの特徴

●暑がり

●のぼせやすく、顔が赤くなりやすい

●ニキビや吹き出物が出やすい

●冷たい飲み物が好きでたくさん飲む

●便秘になりやすい(便が熱で乾くため)

●目が充血しやすい

●高血圧や糖尿病になりやすい

●興奮しやすい

熱邪タイプの人は、比較的元気な人が多いです。

熱がこもると困った症状を生じますが、

そもそも体熱を生産できるのは、体力がある証拠。

過剰な熱を生み出さない生活を心がけることで、

健康を維持することができます。

一般的な過剰な熱を生み出す原因として、

砂糖や糖質の過剰摂取、お酒、香辛料などの刺激物があります。

これらは摂りすぎないようにしたほうがいいでしょう。

糖質やアルコールは直接的な熱源となるうえ、滞りやすいんです。

唐辛子などピリ辛のスパイス発汗を促し、熱を発散させる効果がありますが、

摂りすぎれば余計に熱がこもるので気を付けてください。

キュウリなどのウリ科の野菜や葉物野菜には、熱を冷ます効果があります。

また、豆腐や豆乳などの大豆製品、

モズクやところてんなどの海藻類にも冷ます作用がある。

糖質やアルコールを控えつつ、このような「冷ます」性質のある食品を取り入れると、

食生活で余分な熱が発生しないようにコントロールできます。

その他、日常的に運動をして汗をしっかりかくとも大切ですね。

運動は余分なエネルギーを消費すると同時に熱を発散できるので、お勧めです。

大まかに知る 観察すること

さて、東洋医学の基本的な体質について紹介してきましたが、

どれか一つだけが当てはまる人は少ないと思います。

冷えと気の不足を同時に持っている人は多いですし、

そこに血の不足や瘀血も加わっているケースも普通にあります。

機能が落ちれば気が滞るので、気滞の症状も出てくるでしょう。

また、基本的に冷えている人に熱性の症状が出ること、

逆に、熱邪タイプなのに手足が冷たいとか、、

実際の身体は、けっこう複雑なんです。

ですから、明確にどのタイプと分ける必要はありません。

自分はどんな体質傾向があるか「大まかに」知ること、

じっくり観察することが役立つと思います。

また、身の回りの人やご家族体質傾向を、

「気・血・水」や「寒・熱」「乾・湿」などの視点から観察してみると、

自然と見えてくるものがあると思いますよ。

関連記事 → 東洋医学的 8つの体質タイプ ① 気虚 血虚 気滞 瘀血

参考文献

「生理で診断 体質改善法」邱 紅梅 著(家の光協会)