1、栄養を摂る ~消化力を高める9つの方法~

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前回ざっと『消化力を高める9つの方法』をご紹介しました。

今日から9つの方法を、それぞれ詳しく説明していきます。

肉食鍼灸師的消化力を高める方法、各論編です。

栄養不足だと消化力が落ちる

消化力低下の根本的原因は、間違った食習慣にあることが多いんですよ。

具体的には、

炭水化物中心の食事

野菜中心でお肉を食べない

日常的に甘い物を食べる

このような食習慣を長年続けていると、

栄養不足が慢性化して、消化力が落ちてきます。

東洋医学は農耕民族の医学

漢方やアーユルベーダなどの東洋医学には、

消化力を上げるための方法が数多くあります。

それは消化力が健康上重要だから、なのですが、

そもそも漢方やアーユルベーダなどの東洋医学は、

穀物を中心とした食事を前提とする、農耕社会で発展した医学です。

穀物中心の食事では、必然的に消化力低下の問題が起きてきます。

社会構造上必然的に生じる問題の対応策を、

長い歴史の中で研究してきたのが東洋医学だと言えるでしょう。

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どうして穀物など『糖質中心』の食生活が、消化機能を損なうのでしょうか?

それには多くの側面がありますが、

ここでは『糖』と『栄養』の二つの側面から見ていきます。

砂糖は胃の働きを止める

まず、消化力を高めるために、砂糖はやめた方がいいです。

もう、これは基本。

すでに消化力の弱い人が、

砂糖を食べながら消化力をあげていくことは、ちょっと難しい。

いろんな対策を講じても、ほとんど無駄なんじゃないかと思います。

砂糖は胃を『だらん』とさせます。

お菓子など砂糖のたっぷり入った食品を食べると、

胃が弛緩して、活動を止めちゃううですよ。

そうそう、胃は、、筋肉で出来ています。

筋肉なので、収縮したり緩んだりを繰り返して運動しています。

蠕動運動というやつです。

胃はこの運動を繰り返して、食べ物を胃液と混ぜたり、腸に送り込んだりしています。

ちなみに、食べた物が食道に逆流しないようにしているのも筋肉です。

逆流性食道炎なんていう病気がありますが、胃の機能が落ちると、

逆流性食道炎の一因になるんですよ。

胃の締りが悪くなるんですね。

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糖反射

じつは砂糖を摂ると、胃の運動が止まってしまうことがわかっています。

これは「糖反射」と呼ばれています。

糖反射は、角砂糖5分の1個程度の少量の砂糖で起こるようです。

しかも、数十分から1時間以上も続くんです。

料理の味付けに『少し』砂糖を使えば、それだけで胃腸の働きが悪くなります。

だから、食後のデザートなんて食べちゃだめですよ(笑)

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別腹ってどこ?

『甘いものは別腹』っていう言葉があります。

あれは砂糖の働きで胃が弛緩して『だらん』としちゃうからなんですよ。

胃が伸びて、たくさん入るようになります。

別腹といっても胃が伸びただけなんです。

だらんとなった胃は当然、働くことをやめています(笑)

ご飯やパンはどうなの?

ごはんやパンなどの炭水化物も、たくさん食べると消化力を弱くします。

炭水化物は糖質のかたまり。

糖質以外に主要な栄養はほとんどありません。

単純な話、ごはんやパン、麺などでお腹いっぱいにしていると、

タンパク質や脂質などの必須栄養素が十分に摂れなくなってしまいます。

これを長期間続けていると、栄養不足になっちゃうんですよね。

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胃にとどまる時間

問題は、胃での滞留時間にもあります。

炭水化物は消化に良いと思われていますが、実際はそうでもなさそうです。

胃に滞留する時間が長いのです。

お肉や魚などのタンパク質は胃酸で速やかに消化されて、通常数十分程度で小腸に送られます。

しかしごはんやパン、麺類などの炭水化物は、胃酸で消化されません。

そのため、いつまでも胃の中に留まっています。

以前ネット上で、お寿司を食べて5時間経過した胃の、内視鏡写真を見たことがあります。

シャリはそのままありましたが、ネタの姿はありませんでした。

ネタ(魚)は先に消化され、小腸に送られたようです。

こうなると胃の粘膜は、長時間胃酸にさらされるため、傷ついてしまいます。

胃もたれは、このような時に感じる症状ですね。

これ、毎日繰り返していたら胃粘膜が弱くなったり、

炎症を繰り返した胃壁が萎縮して硬くなったりしてしまいます。

その結果、胃の働きが低下しちゃうんですよ。

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すいぞうさんも疲れます

胃を通過した食べ物は、小腸に送られます。

小腸では膵臓(すいぞう)から分泌された消化酵素がさらに食べ物を分解し、

腸の粘膜から『栄養』として吸収できるようにしていきます。

膵臓は小腸に膵液を分泌します。

膵液には、糖質、脂質、タンパク質それぞれの消化酵素が含まれています。

胃と並んで、食べ物消化の主役になる臓器なんです。

膵臓のもう一つの重要な機能は、血糖値の調整です。

ランゲルハンス島と呼ばれる分泌腺から、血糖値を下げるインシュリンや、

血糖値を上げるグルカゴンというホルモンを分泌しています。

糖質の過剰摂取をすると、膵臓の血糖調節機能を酷使してしまいます。

酷使されて疲れたすい臓は、十分な消化酵素を分泌でき無くなるんです。

その結果、消化力が落ちてしまいます。

タンパク質はここでも大事

タンパク質が不足していると、消化力が弱くなります。

そもそも『消化酵素』は、タンパク質でできています。

慢性的なタンパク質不足だと、酵素を作る材料も不足してしまうんですね。

消化酵素不足では、食べ物を消化できません。

食べ物を消化できないと、、いくら食べても栄養を吸収できません。

また、タンパク質不足だと、胃壁が萎縮して、胃の動きが悪くなってくるようです。

胃に限らず腸管もタンパク質でできているため、動きや働きが全体的に悪くなります。

長期間タンパク質不足の人って、筋肉が少なくなって見た目にもわかりますよね。

菜食の人とか。

あの身体の変化は、胃や腸にも起きていると思ってください。

胃腸も筋肉ですから、不思議はないです。

亜鉛の重要性

亜鉛は、胃の働きと関係の深いミネラルです。

亜鉛は、胃酸と『プロテアーゼ』というタンパク質分解酵素を作るために不可欠なんです。

だから亜鉛不足は、胃でのタンパク質を消化する力が落ちます。

タンパク質がアミノ酸まで分解されず、大きいまま腸から吸収されると、アレルギーの原因になったりもします。

亜鉛は、血糖値を調節するためにのホルモン『インスリン』の材料でもあります。

材料になっているだけでなく、分泌の調節にも関与しているようです。

糖質を過剰摂取していると、インスリンを浪費するため、同時に亜鉛も浪費します。

そのため、亜鉛不足にもなりやすいんです。

 

消化力と栄養の関係を説明してみました。

とてもすべては説明しきれませんが、

栄養が足りないと消化力が落ちるということはわかりますよね。

逆に言えば、十分な栄養を摂っていれば消化力は落ちませんし、上がってきます。

極端な胃腸虚弱でない限りは、糖質を控え、お肉や卵などの動物性食品を十分に食べることで、

消化力がだんだん強くなってくることでしょう。