栄養不足のランナー

eiyoubusokurannna

顔のしびれの鍼灸治療~鍼灸と食事による改善例~

ある50代女性の患者さんは、頭から顔面にかけての慢性的なしびれを訴えて来院しました。

痩せ形で、顔色が良くありません。

頭部の慢性的なしびれ感と同時に、冷えや疲れやすさを訴えていた。

僕の所に来るまで、病院や整体院などあちこち回ったけれど、全く改善しなかったそうです。

問診で食事について聞くと、体重が増えないように肉や脂ものを控えいているとのこと。

痩せているのにどうして、、と思ったら、ランナーでした。

体重が増えるとタイムが伸びないので、増えないようにしているんだとか。

ランニングと首

数年前から始めたランニング、走るのがだんだん楽しくなり、しかも大会に出てタイムを意識するようになってからは、かなり無理をするようになったそうです。

お身体を診察した感じでは、首の筋肉が細く、弱くなり、凝り固まっている。

ご本人も後頭部から首の付け根にかけて違和感を感じていました。

治療としては、ここをほぐすと頭部のしびれに効果ありますが、、根本的には、筋肉の弱さを改善する必要があります。

筋肉の弱さは、慢性的な栄養不足と関係がありそうでした。

栄養不足のままハードなランニングを続け、筋肉がかえって痩せてしまった。

頭を支えている首の筋肉に異常が出てしまったようです。

首コリは頭部の循環障害を生じ、痛みやしびれの原因にもなる。

そのような場合は、凝り固まった筋肉を緩めてやれば症状は改善します。

この女性も初回の治療でだいぶ改善しましたが、完治させるには栄養面の改善が必要だと思い、食事についてお話ししました。

ランニングと栄養不足

コレステロールを気にして動物性の食品を控えるなど、少し誤解があったので修正し、栄養不足状態であること、肉などを食べたほうが回復が早いことなどをお話しました。

この方、医療関係者だったので理解が早かった。

説明に納得してくれましたが、念のため栄養療法の医師を紹介しました。

鍼灸師による身体所見からの判断より、専門の医師による血液検査のほうが腑に落ちるだろうと思ったからです。

結果は案の定、重度の栄養不足、特に鉄不足がありました。(フェリチン値10代)

いろいろ不調が現れているとはいえ、これでフルマラソンを走れるんですから、元々の身体能力は相当なものだと思います。

栄養状態が改善したらどれくらいのタイムが出るんだろう、、。

ランナーは足首や膝を傷めることが多いですが、首を傷める方も多いようです。

ランニングが趣味で首を痛めている人が時々来院しています。

首は5~6キロの重さがある頭を常に支えていますが、長時間のランニングでさらに負荷がかかり、ダメージを受けてしまうのでしょう。

日常的に走る距離が長ければ、栄養面の必要量も多くなります。

そこへ、あえて低栄養な食生活を続けていると、一時は体が軽く感じるかもしれませんが、長期的にはダメージが出やすい。

お身体は明らかに衰えていました。

長距離ランナーは燃費が良くなる傾向があります。

なぜなら、長時間走り続けることに生理システムが適応してくるからです。

だから、やろうと思えば少食でも耐えられますが、、やはり、筋肉や関節は衰えてくるようです。

きっかけを提供する

この女性はその後、糖質を控え、肉や卵をたっぷり食べる食事に切り替えると体調がめきめき回復してきました。

3か月ほどの通院しているうちに主訴であるしびれや冷えは解消されたため、今は来院していないのですが、その後マラソンのタイムがどうなったか一度聞いてみたいと思っています。

この方に提供できたのは鍼灸による当面の症状改善と、、情報。

情報も、繋ぎというか、きっかけです。

紹介した本などもどんどん読んで、ご自分で勉強されていました。

ちょっとしたきっかけがあれば、認識が変わり、根本的に状態が良くなることがある。

何でも治してあげる、、というスタンスより、自力で治るきっかけを提供するような関わり方ができると嬉しいですね。