正しいアトピーの治し方
皮膚科医、藤澤重樹先生の著書、
「9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方」を読みました。

僕自身アトピー体質で、
0歳で発症してから今までずっと付き合って来ました。
症状がひどかったのは小学生のころ。
大人になってからは軽度でしたが、重度のアトピー患者が抱えている苦しみは忘れられない苦痛の記憶とともに、リアルに想像できます。
アトピーという言葉は「奇妙な」という意味なんだとか。
未だにはっきりした原因が分からないとされています。
鍼灸院にもアトピーの方は頻繁に来院していて、改善する方もいますが、けっこう難しいのが現実。
血液循環を良くすると余計痒くなる
栄養豊富な食事を摂るとかえって悪化する
自然治癒力を高めようとすると、かえって症状が強く出ることもあります。
一説に「皮膚からの排毒作用」だとも言われていますが、
このような反応を目の当たりにすると、そうなのかもしれないとも思えます。
アトピー治ってきましたよ
でも、子供の頃からのアトピー、僕自身は治ってきています。
必ず出ていた夏場の湿疹が今年は出なかったし、
日常で痒さに悩まされることはほとんどなくなりました。
こちらの記事に書きましたが、
「断糖肉食コンセプト」はアトピーにも有効だと感じています。
ただしアトピーの原因は、食事だけではなさそう。
今日紹介する「9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方」には、冒頭にこう書かれています。
アトピー性皮膚炎の最大の特徴は、時間の経過とともに自然治癒することです。
「薬に頼らず、自然に治るまで待つ」という治療を受け入れていただければ、きわめて良好な予後が期待できます。
アトピーは自然治癒する
「アトピーの特徴は、時間とともに自然治癒すること」
それって、、つまり放っておけば治るということです。
ほんとですかね?
でも本来、自然治癒力が正常な限り病気になってもほっときゃ治るはず。
治らないなら、、何か自然治癒を妨げる原因があるはずです。
現実には、長期間アトピーで悩み続ける人がいます。
決して珍しい病気はないし、むしろ増え続けているようです。
いったい、どうしてなんでしょう?
ステロイドと保湿
藤澤先生によれば、
自然治癒を妨げているいくつかの要因があるそうです。
その筆頭は、治療で使われる「ステロイド外用剤」。
このように書かれています。
ほとんどの患者さんは、アトピーが自然治癒することを知らない、あるいは早く治そうと焦ってしまい、ステロイド外用剤で治療します。
ステロイドには強力な抗炎症作用がありますが、治療による副作用が生じやすいという負の側面もあります。
長期間にわたって使い続けるほどアトピーが治りにくくなり、もとの肌に回復するまでに時間がかかります。
ステロイドを使い続けた結果、もともとのアトピーの苦しみよりも、ステロイドによる副作用のつらさの方が勝ってしまっている患者さんも、よく見かけます。
ステロイド治療は、その場の症状を抑えるだけの対症療法に過ぎない事をご理解ください。
アトピーの特徴は自然に治ることですから、この特徴を最大限に生かした究極の治療法とは、ステロイドに頼らず、何もしないで放っておくことに尽きるのです。
このほか「保湿」も自然治癒を妨げるようです。
常に保湿することで皮膚が保湿剤に依存する状態を作ってしまい、結局は自然な回復を妨げるとのこと。
一般に、皮膚のトラブルには保湿が重要だと言われています。
実際に保湿すると症状がラクになることが多い。
でも、それがかえって自然治癒を妨げていたとは・・この本を読むまで思ってもみませんでした。
化粧水や軟膏だけでなく、ワセリンなどの油を塗ることも保湿に含まれるそうです。
薬を嫌い、ステロイドを使わない人でも、これらの「保湿剤」を使っていることは多いですよね。
僕もお気に入りのゲルクリームがあって20年近く愛用してきましたが、もしかするとそれも、なかなか治らなかった一因かもしれません。
皮膚のバリアを洗い流す「入浴」
また、入浴のしすぎも治癒を妨げるとのこと。
特に良くないのがボディーソープです。
ボディーソープは強力な洗浄力で「皮膚のバリア」を洗い流してしまいます。
本の中では、
「月に一回程度しか入浴しないチベットの小学生には、アトピー患児が認められない」
という事例が紹介されています。
じつは僕、、つい最近まで1日2回かそれ以上入浴していました。
ステロイドなどの薬はずいぶん前に止めていたのですが、なかなか治ら無かったのには、それなりの理由があったようです。
藤澤先生の本を読んで、思い当たる節がありすぎでした。
僕の場合、食事を変えてから冷え症が改善し、ちょっとくらい寒くても平気になってきました。
それで去年くらいからあまり頻繁にお風呂に入らなくなっていたことも、アトピーの治癒につながっていたのだと思います。
自然治癒のためにすべきこと
アトピーは本来、時間の経過とともに自然治癒するものですが、
ステロイドで症状を抑える
保湿
過剰な入浴
これらの要因によって治癒を妨げ、重症化したり、難治化しているのが現実のようです。
ですから自然治癒のためにすべきことは、
脱・ステロイド
脱・保湿
脱・入浴(入浴頻度を減らす、ボディーソープをやめるなど)
つまり余計なことを何もせず、自然に治るのを待つことなんだとか。
なぜならアトピー最大の特徴が『時間の経過とともに自然治癒すること』だからです。
でも、ステロイド、保湿、頻回の入浴は、皮膚科の標準治療で勧めれられていることです。
それがかえって自然治癒を妨げていたとは・・何とも言えない気持ちになります。
本にはその他に、ストレスや心の持ち方など「精神面の重要性」も書かれています。
心の持ち方や自律神経の状態は、炎症反応に大きな影響をあたえるからです。
もちろん、日々の食事、栄養も大切な要素。
タンパク質を控える考え方もありますが、タンパク質不足だと皮膚は健全化しません。
完治させるには、日ごろの十分なタンパク質摂取が重要になるでしょう。
著者の藤澤先生は「MECドクター」でもあります。
フェイスブックで、MEC食系のグループの運営もされているので、
肉食系の糖質制限を推奨されているようですね。
藤澤先生の最新著作「9割の医者が知らない正しいアトピーの治し方」には、この記事中で紹介しきれなかった重要なポイントも詳しく書かれているほか、レーザーを使った治療法、アトピーに効果のある温泉なども紹介されています。
アトピーで悩んでいる方やご家族の方にとって、非常に参考になる本だと思いますよ。