水はけの良い身体

suika

鍼灸治療の目的

鍼灸では気血の流れを良くすることと同じくらい「水はけ」をよくすることが重要。

つまり「気・血・水」の調整です。

病や体調不良には、必ずと言っていいほど何らかの「循環障害」を伴います。

鍼灸治療の目的は、身体を栄養する「気・血・水」の循環を良くして『治る力』を活性化することにあります。

身体の水はけ

鍼灸治療の感想として、どこか痛いなど主訴の改善の他に、

『おしっこがよく出るようになった!』

という人が多い。

腎臓がしっかり働いて尿のよく出る人は、環境の変化の中でも体調を維持しやすくて体力があります。

これは腎臓が持つ老廃物の排泄、血液の成分調節機能が正常に働いているしるし。

もちろん腎の働きを高めるために、腎臓のツボにしっかりと鍼や灸をしています。

また、数回目の治療で、

『最近、気持ち良く汗をかけるようになった!』

と言われることが多いです。

じつは、暑くても汗をかけない「熱がこもりやすい体質」は、コリや慢性痛、精神症状とも関係が深いんです。

体表からの発散ができない体質、これはストレスを発散できない精神傾向としても現れることがあります。

そんな人に鍼灸してると、だんだん余計な熱を発散できるようになってくるのでおもしろい。

汗と肩コリ

熱の発散はストレスや緊張の発散にもなるため、過度の緊張も緩んできます。

汗がかけるようになると、首や肩、肩甲間部がコリにくくなります。

逆に首肩のコリを解消していくと、汗をかきやすい身体になってくる。

そうなると日常的に感じていた体の不快感や、精神的な不調が軽減されていきます。

汗も水の排泄であり、尿とともに水はけを良くします。

コリは循環障害なので水はけの悪さともかかわりが深い症状なんですよ。

冷えもまた循環障害を伴い、はやり水はけが悪くなります。

例えば、おしっこの出が良くなると冷えの症状は改善していきますが、人によってはやたらと温めるより「余分な水を捨てること」が効果的な冷えの解消法になる。

この場合、冷たい水の停滞が冷えの症状をもたらしている。

浮腫みは身体に余分な水分が停滞している状態ですが、それを捨てると循環が良くなり、冷えた身体がポカポカしてきます。

だから冷えと浮腫みは一緒に現れやすく、治るときも一緒に治ります。

肺と腎の働きを高める

このような体内の水分を調整していのは東洋医学的に、肺と腎の働きです。

鍼灸では全身症状を内臓の観点から治療しますが、肺と腎の機能を高めると、やはり水はけの良い身体に整ってきますね。

停滞していたものが流れ出し、心身ともに軽く、暖かく、すっきりとしてきます。

肺と腎の働きには表裏関係の大腸膀胱もかかわっていますが、現代の生理学的に考えても大腸と膀胱は水分の排泄に関係する器官でした。

また、水を制御するのは土なので脾胃(土)を強くすることも重要。

脾胃とは胃腸の働きのことで、これが乱れると、やはり水はけが悪くなります。

食事や栄養面では、まずタンパク摂取が重要になります。

タンパク不足の身体はむくみやすく、水はけが悪くなります。

これは血中アルブミンが水分保持のために働いているからです。

ミネラル不足も水分保持に影響しますから、不足しないようにしましょう。

夏野菜、特にキュウリやスイカなどのウリ科野菜は利尿作用があり、身体に溜まった余計な熱を尿と一緒に水を排泄してくれます。

これは炎天下で作業などして身体が火照ったときに食べると経験的にわかりますが、細胞の水分調整には野菜に多く含まれるカリウムなどのミネラルが関係していることからも理解できます。

また、糖質の過剰も水はけを悪くします。

特に甘いものが好きな人は浮腫んでいることが多いものです。

その意味でスポーツドリンクでの水分補給は浮腫みの原因になると思います。

この季節、脱水を防ごうと「水分摂取」ばかりに意識が行ってしまいがちですが「しっかり出すこと」も忘れてはいけません。