消化のしくみ ① ~消化管~

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消化器官とは

いままで繰り返し『消化力』が大切だと書いてきました。

でも、食べ物を消化吸収する具体的な仕組みなんて、知らない人が多いです。

知らなくても身体はちゃんと、食べたものを消化吸収してくれますしね。

ただ、身体の仕組みの中でも消化吸収に関することは、

誰にとっても実生活と直接関係しています。

毎日の食事、食べる営みは、生きることそものですから。

だからこれ、大まかにでも知っておいて損はないです。

全体像をつかむ

先日、鍼灸師的な視点から『胃が大事だよ』って記事を書いてみました。

胃の次は小腸かな、と考えていましたが、

それはやめて、、今回は消化器全体をざっと眺めてみます。

医療系の仕事でもない限り、消化の仕組みを細部まで知る必要はありません。

知らなくても身体が勝手にやってくれますからね。

でも、大まかな構造や仕組み、働きを知っておくことで、

自分や家族の健康について自分で考える思考回路が回り始めます。

それが大事だと思うんですよ。

というわけで、今日は、消化器系のお話し。

大まかな構造と働きを見ていきましょう。

からだはちくわ

食べ物の消化、吸収、排泄に関わる身体の器官を「消化器系」と呼んでます。

消化器系は、口からはじまり、

食道、胃、小腸、大腸、肛門、、と連なる、一本の管(くだ)が中心になっています。

これを『消化管』と言います。

このくだ、ほとんどの動物に共通の基本構造なんです。

ミミズ、バッタ、魚、うま、うし、トラ、ネコ、鳥、ヒト、、

これらの生物はそれぞれ外見こそずいぶん違いますが、

みんな口からはじまり肛門に終わる一本の管を持っています。

それぞれの食性に合った『食べ物』をその管に通すことで消化吸収し、同化しています。

みんなおんなじなんですよ。

このように身体は『一本のちくわ』のような基本構造を持っています。

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すい臓、肝臓、胆のう

ヒトの消化器系にはこの管の他に、3つの臓器があります。

それはすい臓、肝臓、胆のうので、それぞれ食べ物の消化吸収を助けたり、

吸収した栄養素を代謝する働きをしています。

このように、口から肛門までつらなる1本の消化管と、

膵臓、肝臓、胆のうが協調することで、人間の消化器系は構成されています。

消化管

消化管は、さっき書いた管のことです。

ちくわですね。

実際はまっすぐじゃなくて、場所によって特徴的な形をしています。

消化管はおおきく、口腔、食道、胃、小腸、大腸に分けられます。

もちろん切れ目なく繋がっていますが、解剖学上は細かく分けてられて、

それぞれに名前が付いています。

口腔(こうくう)っていうのは、、口とのどですね。

食べ物は口でもぐもぐと咀嚼され、物理的に細かくされます。

そして、のど~食道を通って、いったん胃の中に納まります。

そこで胃液と混ぜられて、消化液による消化が始まるんですね。


(坂井建雄・橋本尚詞著『ぜんぶわかる人体解剖図』より引用)

ふん門と逆流性食道炎

胃の上には噴門(ふんもん)と呼ばれる筋肉があって、

食べ物が通過するとき以外は閉じています。

逆流性食道炎というのがありますが、その一つの原因は、

噴門を閉じる筋肉がゆるくなることで、胃酸が食道にのぼってきてしまうんです。

これは、胃の機能低下によっておこる症状の一つです。

砂糖はこれにも関係しているんですよ。

砂糖を食べると、胃の筋肉がだらんとしちゃいますからね。

ゆう門

胃の下の部分、小腸との境目にも門があります。

これは幽門(ゆうもん)とよばれ、

胃でドロドロに溶かされて食べ物は、幽門を通って少しづつ小腸に送りこまれます。

幽門の開閉や、小腸に送られる量は、

粘膜から分泌されるホルモンによって自動調節されているようです。

このように胃腸は何気なく連係プレイをしています。けっこう頭いいです。

小腸のはたらき

さて、胃の次は小腸です。

小腸は、十二指腸、空腸、回腸に分けられていますが、今日はまとめて小腸でいきます。

小腸は、胃で溶かされた食べ物をさらに消化して、栄養素として体内に吸収する場所です。

とてもだいじなところです。

東洋医学の見方では、ここは「血」を作るところです。

実際に血球などが造血されているかどうかは別として、

食べ物の栄養を吸収して血管やリンパ管に取り込むところですから、

ある意味『血液を作ってる』と言っていいですよね。

小腸の長さは、約5~7メートル、ちょうどおへその辺りにグネグネと折りたたまれるように存在します。

私たちが食べた物の栄養は、主にこの小腸から体内に吸収されています。

 

大腸と腸内細菌

さて、小腸を通過した食べ物は、大腸に送られます。

大腸は約1.5メートルあります。

右下腹部から上に登り(上行結腸)、胃の下あたりで横になり(横行結腸)、

お腹の左側を下行して(下行結腸)、急カーブして肛門にいたります。

便秘の時に、時計回りにお腹をマッサージしませんか?

あれは大腸の走行に沿ってマッサージし、便の移動を促しているんです。


(美田誠二著『得意になる解剖生理』より引用)

大腸に送られた食べ物は水分を吸収され、ほどほどの硬さの便になります。

また、ここには腸内細菌がたくさん住んでいます。

腸内細菌の種類や数、状態が健康状態に影響するということは注目されていますね。

細かいことは知りませんが、やはり重要みたいですよ。

細菌を殺す抗生物質とか、除菌滅菌とか、ほどほどにした方が良さそうです。

腸内細菌の状態は免疫力と関わっているため、風邪をひいて抗生物質なんて飲むと、

腸内細菌が壊滅し、免疫力がもっと低下する恐れがあります。

そしたら、かえって風邪ひきやすくなっちゃいますよね。

腸管免疫

食べ物の栄養は腸の粘膜から吸収されますが、

腸の粘膜からは、異物や消化のタンパク質など余計なものは吸収されないようになっています。

細菌やウイルスにも触れる機会が多いので、免疫細胞もたくさん集まっているところです。

外側から入ってきた異物や外敵を、体内に入れないように守っているんですね。

これは『腸管免疫』と呼ばれていて、免疫系全体の約7割を占めるんだそうです。

砂糖や薬品の影響などで腸に炎症が起きると、粘膜に穴が空いたように状態になります。

リーキーガット(漏れる腸)などと言われますが、

これは免疫力の低下、アレルギーの原因にもなっているようです。

砂糖を摂りすぎると腸で細菌が異常増殖して炎症を起こし、リーキーガットの一因になります。

砂糖は腸管免疫にも悪さをするんですね。だからやめましょう。

あ、ちなみに、腸の中は『体外』、身体の外側です。

皮膚と消化管の内側、、

つまり、ちくわの空気に触れている部分は身体にとて外界なんです。

消化器系のおはなし、ちょっと長くなったので2つに分けます。

次回はすい臓、肝臓、胆のうについて、

消化吸収と関わっている部分を見ていきましょう。

腸管と、この3つの臓器のはたらきを知ると、

消化器系のイメージをはっきり持つことができます。

 

参考文献