砂糖と慢性炎症

satou (2)

慢性症状は病院で治らない

慢性炎症を持っている人に普段の食生活を聞くと、やはり砂糖や精製糖質をたくさん食べていることが多いです。

砂糖をやめて糖質を控えるのが炎症を鎮める早道だとアドバイスしているのですが、実際にやる人は半分くらいでしょうか。

鍼灸院には慢性的な痛みや症状を抱える患者さんが多く来院します。

なぜなら慢性症状の多くは病院じゃ治らないから。

慢性痛の一部は筋肉の強いこわばりや血流障害が直接の原因です。

これは筋肉や周辺組織を緩め、血液や体液の循環を良くすると改善してきます。

膝などの関節の腫れや局所的な炎症も鍼灸をしていると鎮まることが多い。

これは組織内圧を下げることと関係していて、やはり循環の改善による効果だと考えています。

慢性症状と慢性的な炎症

ただし胃や腸の炎症、鼻炎や副鼻腔炎、リウマチ性の関節炎、アトピーなどの皮膚炎についてはそう簡単ではありません。

このような症状には鍼灸に加えて、食生活や栄養状態の改善を提案しています。

鍼灸単独でも症状が緩和したり鎮まることはありますが、食養生を取り入れた方が断然効果が出やすいからです。

さて、慢性的な痛みや症状の背景には必ずと言っていいほど「慢性炎症」があります。

怪我やウイルス感染などで一時的に起こる急性の炎症は正常な生体反応ですが、長期間続く慢性的な炎症は健康な状態であれば起こらないことです。

慢性炎症の原因は多岐にわたり、原因不明なこともありますが、日常的な砂糖は大きな要因のようです。

なぜそう言えるかというと、砂糖をやめると症状が軽くなったり、治ってしまうことが少なからずあるから。

砂糖が引き起こす問題

砂糖は皮膚や腸内の細菌叢を乱し、インスリンをはじめとしたホルモンの働きを乱し、糖質依存と糖質過食を引き起こし、血管を傷つけ、糖化によってあらゆる組織を劣化させることが知られていますが、すべて慢性炎症と関わってきます。

砂糖が引き起こす病気として、肥満、糖尿病、動脈硬化、虫歯や歯周病、カンジダ症、アレルギー、アトピーなどがありますが、これらの症状・病気はすべては慢性炎症を伴います。

砂糖は糖を好む酵母系の細菌(カンジダ)を異常増殖させますが、カンジダが増えすぎると他の細菌の活動を抑制する物質を分泌し、それが腸粘膜の慢性炎症を引き起こしてリーキーガットになります。

腸粘膜が障害されるリーキーガットは、食物アレルギーや花粉症といった炎症を伴う症状と関わっています。

同じようなことは口の中、皮膚、膣などでも起こり、歯周病や水虫、カンジダ性膣炎などの原因となります。

口や腸の中はともかく、なぜ砂糖で皮膚や膣の細菌異常増殖が起こるのかと言えば、血液中にある過剰な糖が、汗や尿、膣粘膜の分泌液の中に排泄されてしまうからです。

同じ理由で授乳中に砂糖を食べたり糖質過剰の摂取をすれば、母乳に本来含まれないブドウ糖が含まれるようになり虫歯になる原因となります。

母乳しか与えていないのに赤ちゃんが虫歯になったとしたら、それは母親の食生活の問題であり、母親は何らかの慢性炎症を抱えている可能性が高いです。

慢性炎症があるとストレスホルモンが分泌されるので、育児中のストレスもより大きくなります。

そしてまた、甘いものを過剰に欲するような悪循環に陥るのです。

治癒への早道

砂糖の影響で低血糖症や糖質依存の状態になると、日常的に高血糖状態が続き、使いきれないほどのブドウ糖が細胞に取り込まれます。

こうなると糖をエネルギー化する過程で発生する乳酸が細胞液の中に蓄積し、細胞内液が酸性化してしまいます。

通常、弱アルカリ性に保たれている細胞内液が酸性化すると、やはり炎症が起こりやすくなるのです

実は、腰痛や神経痛などによる痛みにも慢性炎症が関与していると言われています。

ですから慢性的な痛みや症状に悩んでいて、それを本気で治したいなら、まずは砂糖をやめた方が良いのです。

もちろん砂糖以外にも炎症を促進する要素はいろいろとあります。

ストレス、過労や身体の酷使、寝不足、栄養不足、薬、重金属などの汚染物質によってもそれは起こります。

だから砂糖をやめても治らない場合は他の面にも目を向ける必要があるでしょう。

ただ、ストレスによって引き起こされた炎症であっても、砂糖の摂取で増悪することは間違いありません。

やはり砂糖をやめることは、治癒への早道だと思います。