子供の糖質制限は危険?
聞くところでは、子供に糖質制限をして発育が悪くなるケースがあるようです。
おそらく多くの場合、親が情報を仕入れて急に方向転換し、しかも厳密にやりすぎて新しい食習慣に適応できていないのではないかと思います。
問題が起きている人の話をよく聞いていると、もともと極端に糖質過多の食生活だったり、ベジタリアンから肉中心の食事に移行したり、急激な変化を強いていることが多い。
そして身長の伸びが止まったり、体調不良や何らかのトラブルが生じると『糖質制限は危険だ!』という論調に傾きます。
でもこの場合、危険なのは親だと思う。
子供の糖質制限の是非以前に、親の行動がおかしいと思いませんか?
糖質制限にしろ高たんぱく食にしろ、大人でも子供でも、適応できなければ問題が生じるでしょう。
食事法は、急激な変化を強いるほど適応できない人が出てきます。
もちろん体質的に厳密な糖質制限には向かない人もいます。
そのへんを考慮せずに突き進み、適応できないままに継続すれば慢性的な不調の原因となります。
成長期なら、発育に影響しても不思議はありません。
よく観察し、時間をかける
だから、当たり前のことですが、子供の様子をよく観察して柔軟に対応する必要がある。
とにかく糖質は悪だとか、一切摂らなければすべてうまく行くとか、そういった極端な情報に振り回されない。
今まで糖質ばかり食べててもちゃんと生きてるんだから、あわてなくても大丈夫です。
でもはやり『糖質過多』の食生活は問題を生じやすいと思います。
だから、初めは三大栄養素の比率を変えていく。
徐々に糖質の割合を減らし、良質なタンパク質や脂質を増やします。
子供が嫌がるようなら、行きつ戻りつしながら何か月~年単位の時間をかける。
そのくらいゆっくりやれば問題が起こることは少ないはずです。
まず質的な栄養不足を解消する
子供の糖質制限は、すでに糖質中心の食生活に慣れている場合(ほとんどそうだと思いますが)様子を見ながら慎重に、時間をかけて、少しづつ習慣を変えた方が良いと思います。
例えば、
- おやつを砂糖入りのお菓子から低糖質のお菓子やチーズに変える
- 肉や卵の量や頻度を増やす
- 晩御飯はおかずだけにする
はじめはこれくらいできれば十分でしょう。
そして同時にタンパク質や脂質、ビタミン・ミネラルなどの不足を解消する努力を継続します。
ふつう年単位で継続しなければ体質も習慣も変わりません。
成長期は特に、厳密な糖質制限よりも栄養の充実を優先するべきだと思います。
まずは糖質中心の食生活がもたらした『質的な栄養失調』を解消することが重要です。