糖質制限4年続けて生じた変化と今考えていること

tiryousyoku

4年目の実感

糖質制限や肉食の重要性に目覚めて、低糖質系の食事のスタイルを変えてからもう少しでまる4年になります。

その間糖質をほぼ食べない「断糖」は3年ほど続けました。

砂糖断ちから始め、徐々に動物性食品の摂取量を増やし、半年ほどしてから炭水化物も含めた「断糖」へ。

健康に対する効果を知りたかったのと同時に、

主食ナシで生きられるのか!?

という興味半分のスタートだったので、はじめ少々フラフラしながらも厳密な断糖を心がけました。

途中、少し食べてみたり、やっぱり厳密な断糖に戻したり、いろいろ試していましたが、基本的にはほぼ糖質を摂らない生活を3年は続けた。

今は少し緩めていて、自分の畑で採れた野菜やイモなどの糖質を少量、日常的に食べています。

4年という期間が長いのか、短いのか、なんとも言えませんが、こういった食事法についての個人的な体験、見解はまとまってきました。

また、鍼灸院に糖質制限実践者が頻繁に来院していることもあり、理屈や個人的な体験だけでない「生情報」をけっこう持っている方だと思います。

生情報からはっきりわかるのは、糖質制限してるから健康とは言えない。

単に、糖質過剰の害を防げるというだけです。

むしろ情報に振り回され、自分を見失っているような人が少なくないことが気になっています。

久しぶりの記事になりますが、現時点での糖質制限や断糖について思うところをまとめておきます。

甘いもの好きから苦手に

まずは個人的な体験から書きます。

断糖を続けて生じた変化の一つは、甘いものが苦手になったこと。

甘いもの、特に強い甘味を「不味く」感じるようになりました。

正確に言うと、甘みの感受性が増して強すぎる甘味を不快に感じるようになったのでしょう。

それまでさほど甘いと感じなかった穀物、根菜、野菜、なんでも甘く感じます。

そういう甘味は美味しい。

でも、甘味料や糖度の高い果物の甘味は強すぎると感じるのです。

今でも砂糖などの甘味料は一切使いませんが、不味く感じるので我慢する必要もありません。

甘すぎるものを感覚的に避けているだけ。

甘いものが苦手になったというより、強い甘みを嫌うようになったという方が正確ですね。

この変化が食事のコントロールをとても楽にしています。

おそらくこのような変化は、代替甘味料を使っていたら起こらなかったのではないかと思います。

そして似たような変化が糖質全般、ごはんなどの炭水化物についても生じた。

炭水化物については、なくても平気、少量なら美味しく食べる、という具合になっています。

甘いもの中毒

以前は「甘いもの中毒」と言っていいような甘党で、甘ければ美味しい、お菓子などあればあるだけ食べてしまうような人間でした。

それが、しばらく我慢して食べないでいるうちに、初めはさほどほしくなくなり、だんだん感覚的に嫌悪するようになった。

その嫌悪感は情報によるもの「頭で嫌っている」部分もあったと思います。

とにかく砂糖は体に悪い、糖質は良くないんだ、という。

糖質制限について批判されがちな部分ですが、自分の場合はこれが必要だった。

糖質中毒だったからです。

はじめはこのような自己洗脳半分、興味もう半分でスタートしたのですが、時間がたつにつれ自己洗脳は弱まってきます。

どうしてかというと、僕、飽きっぽい性格だから(笑)

でも、情報としては自分の中での旬を過ぎ、飽きてきたころに、身体の方は糖質ナシの生活にほぼ適応していました。

中毒状態から抜けたともいえます。

糖質が無いことの欠乏感ほぼゼロ。

むしろ淡々とした安定感を心地よく感じていました。

はじめて体験したこの感じ。

日常生活に、瞑想に似た静けさを感じました。

これ、楽だわ・・と思った。

この状態を「ケトンモード」「脂質代謝が活性化している」と認識していたのですが、実際にどうかは分かりません。

血中ケトンを測ってみるとやや高めに維持されてはいましたが、それがどの程度細胞で使われていたのか分からないし。

ケトン高値が脂質代謝優勢の証拠であるかのようにも言われていますが、血中で高いなら細胞で使われてない可能性もあります。

血糖値だってそうでしょう?

尿中に出てくるのも余っているからです。

だから代謝が上手く行っているかどうか、体感が大事。

体調が良くなっていればおおむね良いのでしょう。

その頃、常に絶好調というわけでもなかったのですが、それまでの自分と比べてじわじわ身体が強くなり、ゆっくりと着実に、心身が安定してくることを実感していました。

だから体感として方向性は正しいと認識していた。

断糖をはじめて1年くらい経った頃のことですが、このころ断糖に「適応」したのだと思います。

回復期

断糖生活に完全に適応し始めたであろうこの頃からの2年間は、回復期だったと思います。

糖質制限には慣れて、当たり前になってきた。

でも、身体には長年の糖質過多、栄養不足の影響が残っています。

それをじっくり修復しているという実感が続いていました。

具体的には、冷えの改善、体幹の筋肉が強くなる、姿勢が良くなる、皮膚が艶々してくる、疲れにくくなってくる、体調の浮き沈みが無くなる。

徐々にこのような変化が現れました。

でもこの頃、まとまった量の糖質を食べると体調を崩していました。

さいきん糖質制限を緩めているのは、たべても全く体調に変化が無くなったから。

一人前のごはんを食べるくらいで体調を崩していたころは、まだ糖質過多によるダメージが残っていたのだと思います。

興奮が消え安定的な状態に

また、食欲の安定も大きな変化でした。

それまでは食欲にムラが大きく、食べ過ぎたり食べなさすぎたりが日常的だったのですが、それが安定してきた。

食欲に振り回されることがなく、でも安定した食欲がある。

このような変化は1年目から感じていたのですが、それが継続され、より安定したものになっていく感じ。

それと同時に「糖質を食べてない」「断糖してる」という妙な興奮が消えてきます。

そう、今にして思えばこのブログを書き始めたころ、この興奮が原動力になっていたと思います。

何かすごいものに出会ったという感じで、誰かに伝えたくなりました。

こういう、ある種の興奮からくる鬱陶しさが糖質制限批判を助長しているんでしょうね。

はじめの頃、度々ネット上で絡まれましたが、自分で引き寄せていたのだと思います。

でもそれ、だんだん落ち着いてきた。

食事法は魔法のようなものじゃない。

過剰だったものを減らしたから回復する。

不足していたもの(栄養)を摂るようになったから回復する。

当たり前のことでした。

回復食という認識

厳密な糖質制限や断糖について、今は回復食という認識を持っています。

耐糖能の低下や糖化ダメージが深い人は厳密な糖質制限を何年か続けると徐々に回復してきますが、回復の途中で糖質を食べると具合悪くなったりします。

それは、過多の食生活や栄養不足の影響が残っているからで、十分に回復すればそういうこともなくなってくる。

もちろん、糖質ナシに慣れて快調なら無理に食べなくてもいいんです。

でも、不可逆的な変化が起きている人(糖尿病とか)以外では、必ずしも一生、厳密な断糖をする必要はないと思います。

そもそも少しの糖質で不調になるのはどこかに異常がある状態です。

また、少しは糖質食べたほうが調子いい人は怖がらずに食べたほうが良いでしょう。

例えば酵素にもATPが必要ですから、エネルギー不足のままでは回復もしにくいのです。

ただし糖質依存が強く、少し食べると止まらなくなるような人は、依存状態を断ち切るために倒れない程度の糖質制限を依存が消えるまで続けた方がよいかもしれません。

そのとき必ず脂質・タンパク質を十分に摂り、基礎的な栄養充実を心がけることが大事です。

栄養が充実して代謝が潤滑に行われるにつれ、食事による満足感も安定したものになってきます。

個人差は大きい

そもそも糖質の必要量は体質や性格、体格、筋肉量、生活環境や運動量によって変わってくるので一概に言えません。

理論上の必要量、至適量があるとしても、実際の身体の能力には大きな個体差があります。

例えば、肝臓で糖新生すると言っても、その能力には個人差があるでしょう。

肝臓の仕事の一つ、アルコールの分解能力に大きな個人差があることを考えるとその差は想像できるはずです。(それと同じではないでしょうが)

一度糖質依存を断ったうえで体調を見ながら「外因性ブドウ糖」の量を調整してゆく。

一般論としては過剰摂取が問題なのであって、一切摂らないというのは現実的じゃない。

不可能ではありませんが、社会生活を考えても不便この上ないと思います。

また、デンプン質と砂糖や果糖は分けて考えたほうが良いし、野菜も避けるようになるとデメリットが大きいでしょう。

ただし世間は『糖質過剰摂取』『糖質無制限』が当たり前であり、それで病気になっている人が多いわけですから、糖質制限のコンセプトは時代のニーズをとらえています。

でも一方で、食事法に踊らされる人が少なからずいる。

いろいろと流れてくる情報に混乱して、食べることが不安の源のような状態の人に度々遭遇しているんです。

でも、それはおかしい。

大切なのは総合的に生活の質を高めることであり、食事法はその手段にすぎません。

だから自分の体質や生活環境に合わせ、自分軸を失わずに取捨選択したいものです。

基本的な考えは変わらず

とはいえ、食事に対する基本的な考えはあまり変わっていません。

以前、食事の要点をまとめた記事、

きほんの食事

ここにに書いてあることは僕が今も実践していることであり、鍼灸院でもこの方針でアドバイスしています。

一般的には糖質過剰とそれに伴う栄養不足や代謝不良で体調を崩している人が多いから。

ただし体質や生活状況に合わせてかなりの緩急をつけているので、必ずしもこのままではありませんけどね。

糖質量はおおむね3割以下、できれば2割以下に抑えておけば害は出にくいでしょう。(すでにダメージ深い人は別)

糖質控えめ、甘味料なし、脂質・タンパク質たっぷり、野菜は適量(美味しいと感じる程度)、果物は摂り過ぎない。

あとは体質や生活環境に合わせて生活の質を高めるように調整します。

ただし食事法は手段であって「その人」の健康レベルや生活の質を高めることが目的。

あまりこだわり過ぎないほうが良いとも思います。

こだわりが薄れていく

僕自身、最近はだんだんと糖質制限や食事法にたいするこだわりが薄れてきました。

食事でできること、できないことが自分なりにつかめてきましたし、当たり前のことですが、健康は総合的な要素で決まるものだから。

睡眠、活動、こころの持ち方、生活環境、人間関係、生まれ持った体質、その他いろいろ。

何を食べるかより、どう生きるか、どう暮らすかが大切だと思っています。

人生を取りまく全ての結果として、いまの健康状態がある。

そもそも『食を得ることと生活とが切り離されてしまった』ところから、食と健康の問題は始まっています。

そのことをふまえ、自分としてもっと大切だと思うことに意識をシフトしていきたいと考えています。