耐糖能を高める

tore-ningu

糖質の悪影響

「糖質の過剰摂取やグルコーススパイクを避けるべき」

続けて、このようなことを書いてきました。

糖質のリスクと糖質制限

グルコーススパイク

なぜ避けるべきかといえば、

高血糖の状態では全身の血管や細胞を傷めてしまうから。

糖質中心の食生活で、このような悪影響は避けられないでしょう。

若いころは比較的影響が出にくい人でも、

中年以降は確実に、容姿や健康上の問題として現れてくる。

世の中を観察していて、このことはぼぼ間違いないと感じます。

厳密な断糖

では、日常的に糖質を一切摂らなければいいのでしょうか?

そうとも言えますが、、

ごく一般的な日本人の食生活を考えれば、必ずしも現実的とは言えません。

もちろん、その気になれば一般的な食生活と決別することもできます。

糖質を一切摂らない厳密な断糖の食事に切り替えること。

それは確実に糖質の害から逃れる方法だと言えるでしょう。

でも中には、体質的に厳密な断糖ができない人もいます。

厳密な糖質制限を指導する医師の本などを読んでいると、

内臓機能が正常であれば誰にでも可能であるかのように思えます。

しかし、臨床で患者さんとかかわっている実感として、

生まれ持った内臓機能が弱い

すでにかなりのダメージを受けていて十分に機能しない

性格傾向や生活環境

などの理由から、厳密な断糖は適さないんじゃないか、、

そう思える方も少なくありません。

断糖しにくい人の特徴

特に胃の弱い人、肝臓や胆のうに問題のある人は、

脂質やタンパク質の消化吸収・代謝に問題が生じやすく、

動物性食品ばかりの食事でトラブルが起きやすいと思います。

また、鉄や亜鉛などのミネラル不足が重度の場合も問題が起きやすいようです。

代謝に関与してくるこれらのミネラルが不足していれば、

タンパク質の消化吸収や栄養素の代謝(特に脂質代謝)がうまくいかいなからです。

このほか、性格傾向などもかなり影響してきます。

心身ともに虚弱傾向の方は特に、様子を見ながら慎重に、

段階的に食生活を変えていったほうが無理がないと思います。

そういう意味で、僕はいきなり厳密な断糖を勧めることはありません。

しかし一方で、糖質中心の食生活の悪影響は確実に出てくると感じる。

ただし、それにはかなりの個人差があります。

糖の処理能力、糖質に対する適応力を「耐糖能」と呼びますが、

日常的に糖質を摂るなら自分の耐糖能がおよそどれくらいか把握し、

「自分にとっての適量」を摂ることが望ましいでしょう。

耐糖能は生まれ持った要素もありますが、

ある程度は後天的に鍛えたり養うことができます。

耐糖能を高める

前回の記事で、血糖調節の仕組みについて書きました。

食べた糖質はどうなるか~血糖調節のしくみ~

食事から吸収された糖質の処理には肝臓、筋肉、脂肪細胞、

そして血糖調整ホルモンを分泌する臓器(すい臓や副腎など)が関わっています。

ごはん茶碗1杯程度の糖質量であれば、

そのほとんどが肝臓と筋肉で処理されるようです。(約85%)

肝臓を積極的に鍛えるのは難しいですが、、余計な負担をかけないことは出来るでしょう。

薬や化学物質の摂取、飲酒、便秘などは肝臓に負担をかけます。

一方筋肉は、運動や労働などの日常生活のなかで鍛えることができますね。

つまり耐糖能を高めるためには、

日常的な運動や筋肉を使うことが大切だとわかります。

逆に、まったく運動しない人や、

事務仕事などで一日中座っているような生活の人は、

糖質の処理能力が低い傾向にあるでしょう。

筋肉は使えば太く、大きくなりますし、基礎的な活性も高まります。

でも、材料であるタンパク質が足りないと発達することができません。

ですから十分なタンパク質摂取もまた、重要になってきます。

そのほか、過剰な糖質は腸内細菌の異常増殖を引き起こすことがあります。

このことから、腸内細菌叢の状態も耐糖能に影響すると考えられます。

安易な抗生物質の服用や、自然にまったく触れないライフスタイルは、

腸内細菌叢が貧弱になってしまう要因です。

善玉菌の餌となる食物繊維の摂取や発酵食品を日常的に食べることで、

ある程度はこの点を補うことが出来るでしょう。

日常的に糖質を食べるなら、色々と工夫が必要だと思います。

その上で自分にとっての適量を探り、

「過剰摂取」しないよう気を付ける必要がありますね。

参考文献

「糖質制限食パーフェクトガイド」 江部康二 著