肌の色ツヤと栄養

kani

見た感じでわかる体質

僕は鍼灸師なので、血液検査とかしません。

どやって健康状態を判断しているかと言うと、主に見た感じ。

いい加減な、、と思われるかもしれませんね。

でも、体表観察からわかることは意外と多いんです。

患者さんがやってくると、まず顔と姿勢を確認しています。

顔は顔色、表情、皮膚つやなど。

これが悪いければだいたい、状態が悪い。

声の大きさや強さ、話し方なども体調や体質をよく表します。

元気な人と元気のない人を見比べてみれば、だれでもある程度わかるでしょう。

それをより注意深く観察することろから始めるんです。

東洋医学の顔色診断

東洋医学には、顔色の判断方法もあります。

五臓との関連で五色に分類し、

肝臓 青

心臓 赤

脾臓 黄

肺臓 白

腎臓 黒

基本的にはこういうことになっている。

例えば肺が弱い体質「肺虚」さんは、色白のことが多いです。

腎臓が弱い「腎虚」さんは、黒ずんだ皮膚をしています。

ただし『色白だから肺虚体質』『色黒だから腎虚体質』と単純には言えなくて、弱さが表れている特徴的な色の出方をしています。(文章で説明するのはちょっとムリ)

例えば、東洋医学の古典「黄帝内経素問」の五臓生成編には、顔色の診断について次のように書かれています。

五臓には各々気の色があり、それは顔面部に現れる。例えば死んだ草のような青、枳実(きじつ)のような黄色、煤灰のような黒、固まった血のような赤、枯骨のような白い顔色のものは死ぬ。

一方、カワセミの羽のような青、鶏冠のような赤、蟹の腹のような黄色、豚の脂のような白色、カラスの羽のような黒なら生気がある証拠であり、生きる。

蟹の腹の色って。。

枳実(きじつ)はカラタチの実で漢方薬に使われるものですが、乾燥して灰色がかった薄い黄色をしています。

生薬辞典 枳実(リンク先に写真があります)

2千年くらい昔の本なので少々難解ですが、顔色と内臓の病変には関係があって、艶が無いのは良くない。

でも、あまりはっきりした色も良くない、、などと書かれています。

実際に患者さんと接していると確かに、病的に青い顔、黄色い顔、赤い顔、、、黒い顔などがあります。

それで「何病です」ということはありませんが「何かおかしいぞ」と思う。

何かあるはずだと思って慎重に診察をすすめ、病歴や生活歴などを聞いていくんです。

顔は体調が現れやすく、まず確認するところですが、他に手や全身の皮膚の色ツヤなどもよく見て、参考にします。

鉄タンパク不足かかとは特徴的

一般の人にもわかりやすいのは、貧血の人ですね。

青白い顔、肌をしています。

上記の分類でいうと肝臓です。

東洋医学で『肝は血を蔵す』と言い、気・血・水の血(けつ)を蓄える臓器。

ある意味で貧血は「血の不足」であり、肝臓が弱った病証の「肝虚(かんきょ)」なんです。

栄養療法の血液検査のようにフェリチンいくつ、、と数値でわかるわけじゃないですが、大まかに栄養が足りているか、不足しているかは、見ればわかります。

藤川徳美先生が日本人女性のほとんどが「鉄タンパク不足」だと言っていますが、これは鍼灸院でも日常的に確認しています。

本当に、多い。

もちろん全員にフェリチン測ってるわけでもBUN(尿素窒素)測ってるわけでもないですが、鉄タンパク不足なら代謝不良が起こり、冷えやコリや血色の悪さに現れるからすぐにわかる。(血液検査の結果を見せてもらうと、ほぼ一致しています)

患者さんを施術していて、わかりやすいと思うのが『かかとの皮膚』です。

貧血傾向、鉄タンパク不足の女性のかかとは、十中八九白っぽくてカサカサしている。

こんな感じ。
kasakasa

血色が悪くて乾燥していたら、鉄タンパク不足の兆候だと思います。

逆に、血色がよく潤い、すべすべしていれば足りている可能性が高い。

二十歳くらいまでの若い人は当てはまらないことがありますが、20代後半からはかなり当てはまると思います。

皮膚の黄色はタンパク不足

東洋医学では、脾虚は黄色くなると言います。

僕の妻も以前は黄色い人で、学生時代は脾虚の典型だな、、と思っていましたが、最近は黄色さが抜けてきました。

皮膚の黄色は黄疸で肝機能が悪かったりしても現れます。

なので急に皮膚や白目が黄色くなったら、病院で検査してもらったほうが良いかもしれません。

でも、肝機能が正常でも、タンパク不足で黄色い皮膚になるようです。

妻の場合はこれだったと思う。

最近見つけた記事に、このことが書いてありました。

手のひらが黄色いのはタンパク質不足かも

(このブログ面白いです)

みかんやニンジンのカロチノイド色素は黄色いですが、タンパク質や亜鉛が不足していると体内で正常に代謝されないので、カロチノイドの色で肌が黄色くなってしまう。

カロチンは体内でレチノール(ビタミンA)に変換され、レチノール結合蛋白という輸送タンパク質によって肝臓から全身の細胞に運ばれます。

でも、タンパク不足、亜鉛不足だとこれができなくなるようです。

野菜や果物をたくさん食べて肉などを食べない人が黄色い皮膚をしていたら、それはタンパク不足かも。

食の細い女性にはこのような食事の人が多いです。

東洋医学的には、黄色だと「脾虚」、つまり脾臓が弱った状態です。

脾虚はだいたい胃腸虚弱なので、鍼灸では脾や胃の経絡とツボを使って胃腸を活性化する治療をします。

それと同時に現代的な視点、栄養的な視点から『タンパク足りない』とか、そういうお話になることが多いです。

参考文献

「現代語訳 黄帝内経素問 上巻」(東洋学術出版社)