肺と大腸の関係~粘膜を強化する食事~

kafun

呼吸器症状と腸

花粉の飛ぶ季節になってきたようで、マスクをして来院する患者さんが増えてきました。

僕は花粉症じゃないですが、もともと粘膜が弱い方で、花粉が多い季節には多少の違和感を感じます。

埃っぽいな、、という程度ですが。

一般的な傾向として、花粉症や呼吸器(のどや鼻)の風邪を引きやすい人は、腸の弱い人が多い。

食が細い、下痢しやすい、など胃腸虚弱の傾向のある人は、のどや鼻にも症状が出やすいようです。

肺と大腸の関係

東洋医学では、のどや鼻の症状は「肺」の病証として分類します。

また、肺と大腸は「裏表」の関係とされ、大腸の弱さも肺の弱さの一部とみなすのです。

鍼灸ではこのような患者さんに、肺や大腸を強めるツボを選んで施術します。

花粉症などは炎症であり「熱がこもった」状態ですから、対処療法として熱を発散させる治療も行って症状を緩和しています。

一般的な身体への認識だと、肺と大腸は場所も離れていますし、関係ないと思うかもしれませんね。

西洋医学の医師もきっぱりと「関係ない!」と言いそうです。

東洋医学の見方を説明なしに使うと、荒唐無稽な迷信として扱われることもありますが、よく考えると「昔の人はちゃんと観察していたな」と思うんです。

肺や喉、鼻などの呼吸器と、大腸との間にはちゃんと共通点があります。

それはまず、粘膜です。

のどや鼻の炎症が起こりやすい、風邪を引きやすい、下痢しやすい、、このような人は「粘膜が弱い体質」だと言える。

それを大きく「肺が弱った」とみなし、治療していたんですね。

もちろん。この場合の肺は、西洋医学的な解釈よりも広い意味を持ちます。

粘膜と免疫力

粘膜が弱ければ免疫に異常が出やすい。

ヒトの身体は、口の中、鼻の中から肛門まで、大まかに一本の管の構造をしています。

消化のしくみ ① ~消化管~

2015.09.21

その内面は粘膜でおおわれています。

粘膜は外界と接するため、免疫細胞が集まっています。

特に小腸粘膜は免疫細胞が多く集まっていて、免疫系の病気と関係の深いところ。

花粉症にしろ風邪にしろ、または食物アレルギー、膠原病であっても、完治させるためには腸の健康を取り戻す必要があります。

また、アトピーなど皮膚の慢性炎症を患っている人も、腸の弱い人が多い。

経験上、これは間違いないと感じています。

このような人はおそらく「体表防御」が弱い。

肺虚体質

人体は「ちくわ」のような構造で、皮膚も粘膜も体の表面であり、常に外界と接しています。

東洋医学、特に鍼灸医学ではこれを「肺虚体質」と呼んでいます。

肺虚体質の人は喉や鼻、気管や肺などの呼吸器に問題が出やすいほか、腸や皮膚に問題が出やすい。

東洋医学的に、呼吸器と皮膚と腸(特に大腸)は「肺」が担当している場所なんです。

体質の見方として、ある部位の皮膚の様子から内臓の状態を判断することがあります。

その時、肺の健康を表す場所の一つは肩甲間部

肺が弱っている人は、肩甲骨の間の皮膚がザラザラとした「粗い」感じになっていることが多いんです。

これは見てわかりますし、触ってもわかります。

毛穴が開いたままになったように見えます。

僕は子供の頃喘息持ちで、鼻炎もあり、典型的な肺虚証でした。

そしてはやり、肩甲間部の皮膚がざらざらしていました。

場所的に自分では確認しにくいですが、鍼灸学校の同級生だった妻は学生時代から知っています。

僕の肩甲間部は数年前までザラザラしていたのですが、最近は、すべすべになったと妻に言われます。

そういえば子供の頃から下痢しやすい体質で、数年前まで週に1~2度は下痢をしていましたが、いつの間にか治ってしまいました。

どうやら粘膜が強くなり、肺虚体質が治ってきたようです。

また、ひざの裏などに出ていた湿疹も、全く出なくなりました。

腸などの粘膜だけでなく、皮膚も含めた「表皮」が全体に強くなってきたようです。

糖質制限と皮膚・粘膜

3年前から糖質制限を始め、高タンパク高脂質の食事を始めました。

その後まもなく「下痢をしにくくなった」ことを認識していました。

やがて湿疹も出なくなり、皮膚の状態も変わってきた。

これは、食事の改善による効果だと思います。

砂糖や精製糖質の過剰摂取は粘膜の炎症を促進すると言われますが、実体験からも患者さんの様子からも、これは間違いないようです。

糖質制限をして高タンパク高脂質の食事法を行うと、胃腸が全般に強くなってきて、下痢しやすい体質も治ってきますが、アトピーや乳児湿疹も同じ方針で治ります。

おそらく栄養状態が良くなって、粘膜だけでなく皮膚も強くなるのでしょうね。

皮膚も粘膜も、主な材料はタンパク質です。

それら体表防御を担当している臓器が、タンパク質豊富な食事で強くなるのは不思議ではありません。

ちなみに、粘膜を強くするにはタンパク質の他、、鉄、亜鉛、ビタミンAやなどの栄養素も重要。

呼吸器や腸、皮膚が弱い「肺虚体質の人」は、高タンパクな食事に加えて、このような栄養を意識するといいと思います。

貧血や、鉄・タンパク不足の女性には「固形物を飲み込むのが苦手」という人が多いです。

これは粘膜や、のどの組織が弱くなるからだと思います。

僕の妻もそういうタイプで、子供の頃から固形物を飲み込むことに苦しさを感じていたようです。

サプリや錠剤を飲み込むのが苦手で、ほんとうに苦痛なんだとか。

でも最近は、以前よりだいぶ楽に飲めるようになったと言っています。

たぶん高タンパクな食事を続けるうちに、子供の頃からの体質が少しづつ改善しているのでしょう。