食事のきほん

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現代的な栄養不足

一般的に見られる食生活上の問題点には、以下のようなものがあります。

1、栄養不足

2、糖質の摂りすぎ

3、質の悪い油の摂取

4、化学物質や有害因子の摂取

5、食品全般の質の低下

これらは相互に関連しており、2~5の結果として現代的な栄養不足をもたらしています。

現代的な栄養不足は糖質に偏った食生活と、精製・精白された食材の多用が大きな原因です。

ですから糖質を控える「糖質制限」の考え方が、一般的な食事の注意点として有効であると考えています。

また、タンパク質や脂質をはじめとした必須栄養素を豊富に含む動物性食品の摂取も重要。

糖質を控え、動物性食品を十分に摂り、なるべく質の高い食材を選ぶことで食生活由来の体調不良は改善してくるでしょう。

もちろん、健康状態は総合的な要素から決まるため、食事だけが重要なのではありません。

しかし、心身の健康を支える基礎となる食事の影響は非常に大きいものです。

ここでは何を食べるかということに絞り、当院ですすめる食事の基本事項をまとめました。

それぞれの人にとっての最適な食生活は、体質、生活環境、経済状況、嗜好、目的によって大きく変わってきますから、このような食事が必ずしも「正しい」とは言えないでしょう。

しかし一般論として、栄養不足を改善し、元気を取り戻し、健康を維持しやすい食事のスタイルであると考えています。

ご自身に合わせて、無理のない範囲で役立てて下さい。

当院ですすめている基本的な食事

積極的に食べるもの

●肉、魚介類、卵、チーズなどの動物性食品

摂取量は、体重1キロあたり10g程度。50キロの人で1日およそ500gがめやす。この量を食べられない場合は無理をせず、出来るだけ多く食べる。食べたければもっと多く、満足するまで食べて良い。

●油脂類

食材に含まれる油脂、バター、ラード、牛脂などを中心として、植物油は控えめに使う。

●ナッツ類、発酵させた大豆製品(味噌・醤油・納豆・テンペなど)

なるべく控えるもの

●ごはん、パン、麺類、イモ類などの炭水化物

まとまった量の炭水化物摂取は一日2回まで。摂らなくてもよい。はじめは夜だけ主食を抜き、必要に応じて量及び回数を徐々に減らす。一食の糖質摂取量はなるべく50g以下程度に抑える。

●生野菜、くだもの、牛乳、ヨーグルトは控える

野菜は加熱調理を基本とし、くだもの、牛乳、ヨーグルトは糖分が多いため控える。

●加工食品

工業的に作られた加工食品は全般に、添加物や質の悪い油が多く含まれていることが多いため控える。

一切食べないもの

●砂糖などの甘味料全般(白砂糖、黒砂糖、てんさい糖、はちみつ、代替甘味料、人工甘味料など)

●サラダ油、キャノーラ油、パーム油、マーガリン、ショートニング

●食品添加物(化学調味料、保存料、着色料などの食品添加物)

これらを完全に排除することは難しいが、出来るだけ摂らないようにする。

推奨する補助食品

●ビール酵母

各種ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸が豊富であり消化吸収がが良いため、胃腸の弱い人に役立つ。

その他の注意事項

●肉類は筋肉だけでなく、内臓などのいろいろな部位を食べる。

●間食はOK。糖質の少ないものなら満足するまで食べていい。ナッツ類、チーズ、スルメ、昆布、大豆製品など。ただし糖質の間食はなるべく避ける。

●野菜は好みに合わせて食べる。ただし、食べすぎない。たくさん食べると身体にいいという考えは捨てる。糖質の摂取量が多い場合はそれに合わせて野菜の量を増やす。

●ごはんやパンなどの炭水化物は、食事の最後に食べる。

●砂糖などの甘味料は料理の味付けにも使わない。もの足りなければ、みりんを控えめに使う。

●塩、その他の調味料は、質の良い「本物」を使う。(味噌、醤油、酢などは長期熟成させたもの)

●植物油は「低温圧搾法」で作られた、遮光のボトルに入っているものを選ぶ。酸化しやすいので小さなボトルをそのつど使い切り、大きなボトルは買わない。

●慢性炎症がある場合はオメガ3系の油を意識して摂る。オメガ3系の油は、魚、亜麻仁油、えごま油、シソ油、インカインチオイルなどに多く含まれる。

●揚げ物はラードで、植物油は使わない。揚げ油は、時間を置いて再利用しない。

●アレルギー性疾患や腸に問題のある人は、豆類、小麦製品、牛乳、ヨーグルトを控える。

●玄米などの全粒穀物を控える。米は5分つき程度の精米度合いで。

●大豆は主に、味噌、醤油、納豆、テンペなどの発酵食品として摂る。

●豆乳、豆腐、煮豆などの豆製品を食べすぎにないように。タンパク源として、また低糖質食材としての過食は控える。

●果物はなるべく控え、糖度の低いものを選ぶ。

●飲み物は、水、お茶、コーヒー、など甘味料の入ってないものを選び、氷の入ったような冷たい飲み物は控える。胃腸の弱い人は特に、常温または温めて飲む。

●アルコールは体質に合わせ、飲みすぎに注意。(梅酒・カクテル等、砂糖の入ったものは飲まない)

●脂質・タンパク質を優先して摂取し、糖質の摂取をできるだけ控える。

●糖質の摂取割合は、0~30%の範囲に抑える。(カロリーベース)

●タンパク質だけの食事を長期間続けてはいけない。命にかかわる。

●タンパク質:脂質バランスは、1:1~2程度に。(カロリーベース)

●糖質を減らした分だけ脂質の摂取量を増やす。(脂質の摂取は重要で、あまり少なくしてはいけない)

栄養不足の日本人

日本人には、一般に思われているよりもはるかに「栄養不足」の状態にある人が多いようです。

現代の日本で飢えている人はめったにいないため、栄養不足よりも「栄養の摂りすぎ」を心配している方が多いかもしれませんが、日々患者さんと接している実感として現実に栄養不足状態にある人が非常に多い。

当院は鍼灸院ですから、血液検査や客観的な検査で栄養状態を確認しているわけではありません。

しかし、皮膚の劣化、筋肉や骨格の劣化、関節の劣化、肥満や極度の痩せ、髪の毛や爪の状態、胃腸機能の低下、痛みやコリ、冷えなどの慢性症状から、大まかに栄養不足であることを確認できます。

これらは栄養不足が直接・間接に原因している身体所見だからです。

栄養不足が重度と思われる患者さんには栄養療法の医師の紹介していますが、実際に受診してもらうと、ほぼ予想通りの栄養状態の悪さを指摘されています。

このような栄養不足が原因している体調不良については、食生活を改めることで改善する事ができます。

栄養不足をそのままに鍼灸治療を継続しても、根本的な改善をは難しいのです。

そのため当院では、鍼灸の受診と合わせて食生活を見直すことをおすすめしています。