努力で直せるものではない
『姿勢が悪いからいけないんですよね?』
これは自覚している肩こりの原因として患者さんからよく聞く言葉です。
確かに猫背だと前方を見るために顎が上がり、頭蓋骨と首の付け根あたりにある「後頭下筋群」がいつも緊張した状態になってしまいます。
これは首肩コリの原因になりますから、ほどほどに背すじを伸ばした方が良いのです。
ところが、なかなか「姿勢に気を付ける」という努力で直せるものではありません。
猫背の方が楽
毎朝歩いて通勤しているのですが、スッと背すじを伸ばして歩くと気持ちがいいですね。
元気で健康な人ほどそのように感じるようですが、僕の場合3~4年前まではこういう感覚がありませんでした。
良い姿勢を意識してもすぐに疲れてしまう、猫背の方が楽な状態だったのです。
子供のころから喘息に典型的な姿勢をしていて、よく小学校の先生に姿勢を直された記憶があります。
高たんぱく食で姿勢が良くなってきた
自分で背中に治療をするのは難しいので特に何もしていませんが、この3~4年の間に自然と姿勢が良くなってきました。
高タンパク食を始めた4年くら前から徐々にですが明らかに、姿勢の保持が楽になっています。
これは栄養の充実によって首や背骨を支える背筋群が強くなったことによるのでしょう。
このような経験もあり脊柱起立筋群など姿勢保持に働く筋肉が弱く、姿勢の保持ができなくなっている患者さんには、脊椎周辺の癖を取り除く治療と並行して次のようなアドバイスをしています。
まずは栄養の充実、特にタンパク質摂取を強化すること。
猫背が癖になっている人は胸郭(肋骨周囲の骨格・関節)も硬くなっているので、胸を開くなどの軽いストレッチもするとよいです。
特別なトレーニングをしなくても、これである程度までは筋肉が強くなります。
もちろん普段から姿勢に気を付ける、運動で背筋を鍛えることも大切で、有効ですが、まずは栄養を充実して日常生活動作で鍛え、1日に何度か胸を開くなどのストレッチをすることから始める。
そして半年~1年して余裕ができてきたら軽い負荷から運動をはじめると無理がないと思います。
ただし姿勢は「兵隊さんのようにビシッとまっすぐ」する必要はありませんので、念のため。
あれではリラックスできず自由に動けませんからね。胸を軽く開く程度で十分だと思います。