仕組みを知る
身体の仕組みを知ることが大切です。
身体の仕組みを知っていると健康を自分で考え、決めることができます。
また、うその健康情報を見抜けるようになります。
健康の問題をぜんぶ専門家任せにしてる人が多いです。
もちろん普通の人が専門的なことを知るのは大変ですよね。
でも、身体や健康のことは命に関わります。
だから基礎知識くらいはあった方がいいと思うんですよね。
医者のいいなりですか?

医者の言うことなら何でも聞いちゃう人がいます。
けっこう頭のいい人でも、健康や病気については思考停止状態。
その結果、健康を害しているケースをいくつも見てきました。
実は、僕の父はそうやって死んだんです。
だから、健康のことを自分で考えられるようになりたくて僕は鍼灸師になりました。
もちろん、鍼灸で何でも解決できるわけじゃありません。
正直いって、どうしようもないことも多い。
でも、鍼灸師になるために勉強した基礎医学、生理学や解剖学などの知識が、自分で考え足り調べたりすることの役に立っています。
同業者に怒られるかもしれないけど、鍼灸師になるための基礎医学って、実はたいしたことないんですよ。
そのほとんどは普通の人でも興味を持てばわかると思います。
だからそういうの、ブログに書いてみようと思いました。
さて、そういうわけで、今日は胃の働きについて書いてみます。
胃です
胃のことはみなさんご存知のはず。
食べたものがまずはいる、袋状の臓器です。
何で胃から始めるかと言うと、食養生的に重要だからです。
胃の働きが大事です。
これは、東洋医学側から見ても西洋医学側から見ても同じですね。
それぞれ理屈や解釈は違いますが『健康と元気を維持するために胃が重要である』という認識は共通しています。
東洋医学には、胃を中心とした学説まであります。
しばしば『脾』(ひ)という内臓とセットで『脾胃』(ひい)などと呼ばれるのですが、細かいことをはしょれば胃腸の消化力のことを指しています。

胃の働き
現代的な視点から見ても、胃の働きは大切です。
胃の働きが悪いと、食べ物の栄養を十分に消化吸収できません。
タンパク質は絶対的に必要な栄養素ですがタンパク質をアミノ酸へと消化・分解するために、胃が中心的な役割を果たしています。
鉄も非常に重要なミネラルですが、胃酸の分泌が悪いと鉄を上手く吸収できません。
また、胃酸には強い殺菌力もあります。
これが弱いと食中毒にもかかりやすく、免疫力が低くなってしまう。
現代ではいろいろと衛生上の工夫ができますが、自然界だったら致命的なことですよね。
たぶん、胃が弱い鶏とかいたら、生きていけないと思います。

胃は筋肉のふくろ
胃は、食べたものを一時的に蓄え、消化液で溶かすところです。
満腹時の胃の大きさは、空腹時の約3倍、大人だとだいたい1.5リットルくらい入る伸縮自在の袋です。
この中で胃液を出して、タンパク質を分解しています。
胃に入った食べ物は、筋肉の収縮(ぜんどううんどう)で胃液と混ざり合い、おかゆ状に溶けながら少しづつ十二指腸に送り込まれます。
だから、胃がしっかり働かないと、十二指腸での消化吸収が不完全になっちゃうんですよ。
胃液はタンパク質を分解
胃液は、消化液です。
胃の内側の粘膜から分泌されます。
胃液の中には『消化酵素』や強い酸性の『塩酸』が混じっています。
塩酸は食べ物を殺菌し、消化酵素は食べ物の分解を助けているんです。
胃液に含まれるペプシンは、タンパク質を分解する酵素です。
胃も筋肉なのでタンパク質でできていますが、それが消化酵素や塩酸で溶けてしまわないのは内側の壁から粘液がでて胃を守っているから。
旨く出来ていますね。
ストレスがきらい
胃はストレスに弱いようです。
心配や悩み、強いプレッシャーがあったりすると、胃液の分泌量が減って消化能力が落ちます。
すると食べ物が胃の中に長時間とどまることになり、胃粘膜が荒れてしまいます。
これがいわゆる『胃がもたれる』という状態。
ストレスが強いと自律神経のバランスが崩れ、胃壁を保護する粘液の分泌が極端に減ることがあります。
そんなときに塩酸を含んだ胃液が分泌されると胃の内側の壁が溶かされて、胃潰瘍になったりする。
アルコールや香辛料、薬なども胃液のバランスを崩す原因になります。
空腹時にみぞおちのあたりが痛くなり、飲み物を飲んだり食べ物を食べると痛みが軽くなる時は、胃潰瘍の可能性があります。
こういうときは一時的に、胃酸を抑える薬が必要かもしれません。

胃酸を抑える薬
でも中には『予防的に』胃酸を抑える薬を常用している人がいます。
そういうのは、やめた方がいいと思うんですよね。
だって、胃酸を抑えたり中和してしまったらタンパク質の消化力や殺菌力が落ちてしまうじゃないですか。
それって消化不良や栄養不足、免疫力の低下をもたらしてしまいます。
重度のタンパク不足などの栄養不足だと、胃の働きが十分に行われません。
『消化力を高める9つの方法』にも書きましたが、日ごろから栄養豊富な食材をしっかり食べて、胃の働きを高めておくことが大事です。
取っちゃだめ!
一部には、ちょっとしたことで胃を切除するような医師もいるようですね。
胃を失うということは、生きる力を支える主要な臓器を失うということ。
重病の場合はやむを得ませんが、判断はくれぐれも慎重にしてほしいと思います。
胃のあるところ
胃はだいたい、みぞおちのところにあります。
でも胃下垂の人だと、もう少し下の方、、へそくらいまでだらんと降りているかも。
胃下垂の原因の一つも、糖質の過剰摂取があると言われています。
胃下垂の胃は、ちゃんと働きません。
胃下垂や胃腸の虚弱がある人は、食事生活を見直した方がいいかもしれませんね。
リラックスした状態が、胃の働きを活発にします。
おちついて、あるいは愉しくい食事を心がけると、胃にとってもいいんです。
胃を元気にするツボ
最後におまけとして、胃を元気にするツボを紹介しましょう。
足三里(あしさんり)、これです。

足三里はいろんな効果がある『万能のツボ』ですが、胃を活発に働かせてくれる代表的なツボなんです。
ここにお灸をしたり、グーッと押したりして刺激すると胃の働きを活性化することが出来るので、おすすめです。