消化のしくみ ② ~ かん・たん・すい ~

suizou

 かん・たん・すい

1本の消化管ほのかに、3つの消化器系臓器があります。

今日は、肝臓、胆のう、すい臓のお話です。

これらは日ごろ食べ物を消化吸収する時に働いている内臓たちで、非常に重要です。

口で咀嚼され飲みこまれた食べ物はまず、胃に留まります。

そこで胃液と混ぜ合わされて、少しづつ小腸へと送られます。

小腸では、タンパク質、脂質、糖質の消化吸収を行っていて、

胃液の作用でドロドロになった食べ物を、更に分解していきます。

小腸では、粘膜とすい臓からたくさんの消化液が分泌されます。

消化液の中には、消化作用を促進する各種『消化酵素』も含まれています。

消化酵素は、タンパク質分酵素、脂質分解酵素、糖質分解酵素などがあって、

それぞれ特定の栄養素を分解するために作られています。

じつは消化酵素そのものは、タンパク質でできていいるため、

タンパク質不足だと消化酵素の働きも不十分になって、消化力が落ちます。

タンパク不足で消化力が落ちる理由の一つが、これです。

 

すい臓とすい液

消化液の多くは、すい臓から分泌される『膵液』(すいえき)に含まれます。

膵液の中には、タンパク質、脂質、炭水化物を分解するための各種酵素が含まれます。

膵液はアルカリ性で、胃で酸性になった食べ物を中和して、

腸の粘膜を守り、酵素が働きやすい状態を作っているんですよ。

 

すい臓はこの他、インシュリンという血糖値を下げるホルモン、

グルカゴンという血糖値を上げるホルモンを分泌しています。

血糖値の調整が、膵臓のもう一つの重要な役割です。

低血糖症や糖尿病(Ⅱ型)は、膵臓の血糖調整機能を酷使したことが原因で起こります。

つまり糖質の過剰摂取を続けると、膵臓が疲れちゃうんです。

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でも、膵臓の細胞の約9割は、膵液と消化酵素を分泌するためのものです。

消化液を分泌するのが、膵臓の主な仕事です。

 

胆のう

胆のうは、胆汁(たんじゅう)を溜める袋です。

肝臓が作った胆汁をここにためておいて、食事を摂ると必要に応じて小腸に流します。

胆汁の役割は主に、脂肪を消化液となじませて、

消化酵素の消化作用を受けやすくすることで、脂肪の消化を助けています。

乳化とかミセル化とか言われますが、水と油をなじませる作用を持っています。

胆のうを摘出したりすると、油ものが苦手になるようですが、タイミング良く胆汁が分泌されなくなることが原因です。

胆汁には他に、腸内細菌の異常増殖を抑える働きなどもあります。

ちなみに、胆石というのはここに石がたまる現象ですが、これも糖質の過剰摂取との関連が深いようです。

 

肝臓 人体の化学工場

肝臓には胃腸の粘膜から吸収された栄養素が、

門脈という血管を通って集まってきます。

肝臓の主な働きは『栄養素の代謝』です。

食事から摂り込んだ栄養素を身体が利用できるように代謝したり、

有毒物を処理したり、胆汁を生成するのが肝臓のしごと。

あ、、代謝っていうのは、

食べ物から得た物質を、栄養素やエネルギーに変えたり、

必要な物質を合成したりすることで、

身体が生きるために行っている化学反応のことです。

このような化学反応の多くは、肝臓で行われているため、

肝臓は『人体の化学工場』とも呼ばれています。

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肝臓では、食品から吸収した糖質、脂質、タンパク質(アミノ酸)を分解したり、

さらに別の栄養素に再合成したりしています。

栄養素の代謝の他に、薬物やアルコールなど毒物の解毒を行うのも肝臓です。

過剰な糖質をグリコーゲンや、脂肪に変換して蓄える

血糖が足りなくなったら新たに作り出す(糖新生)

脂質由来のエネルギー源である『ケトン体』を作りだす

これらもすべて、肝臓の働き。

生きるための化学変化をつかさどる、超重要臓器なんですよ。

 

糖質制限と肝臓

糖質制限や断糖をする時、

肝臓の糖新生能力や脂質代謝能力が重要になってきます。

肝臓の働きが弱い人は、変えていくのに時間がかかるようです。

逆に、肝臓の機能が強い人は、比較的スムーズに移行できます。

でも、あまり強くない人でも時間をかけて取り組めば、徐々に機能が上がってくるはず。

無理や焦りは禁物です。

お酒に弱い人、薬物の影響を受けやすい人などは、

食事の変化も時間をかけて慎重にしたほうがいいでしょう。

それらは、肝臓の機能を知る一つの目安になります。

(アルコールの強い弱いは遺伝的な要素も強いので一概には言えませんが)

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仕組みを知る

さて、ちくわのような1本の管である消化管。

それを助ける3つの臓器、肝臓、胆のう、膵臓について見てきました。

ざっとですが、消化器系のおおまかなイメージはつかめたでしょうか?

消化力とは、これらの臓器が活発に働くことで高まってきます。

糖質制限やMEC食、断糖肉食などの食事法では、

ちょっと専門的な身体の機能をを説明されることが多いです。

それを理解することは大切なことですが、素人にはけっこう難しかったりします。

こんなふうに身体の基礎的なしくみを確認しておくと、理解しやすくなると思うんですよね。

人体の仕組みを説明した、イラスト付きのわかりやすい本がたくさん出ています。

そういうのを一冊手元に置いて、時々確認するといいと思いますよ。

 

参考文献