害がなければ安心ですか?

kaiseki

ヘルシーな懐石料理

妻と赤ちゃんは最近、おばあちゃんと一緒に温泉旅行に行きました。

(僕はネコとお留守番)

3人が泊った旅館では『野菜中心でヘルシーな』京懐石が出たそうです。

とっても美味しかったと、妻はご満悦でした。

僕らが食事に気を使っていることを漠然と知ってるおばあちゃんは、

これなら害がないでしょ?

これなら害がないでしょ?

と言って、赤ちゃんにいろいろと食べさせようとします。

(あかちゃんは最近、僕らが食べている物は何でも欲しがります)

でも妻は、その『害がないでしょ?』という言葉に違和感を覚えたようです。

おばあちゃんは、僕らが食品の害、つまり、

その食品に含まれているかもしれない『毒』を気にしてると思ったようですが、

妻が意識していたことは『必要な栄養があるかどうか』だったんですね。

 

毒を避ける発想

食事と健康について関心が高い方の中には、

● 毒を避ける

● デトックス(排毒)する

これを強く意識している人が多いと感じます。

そのために、毒出しのお茶を飲んだり、

長時間のサウナで汗をかいたり、

大量の食物繊維を摂ったり、

終末に断食したり、、

体内に蓄積した毒を排泄する方法として、

このようなことが薦められているようです。

また、日々の食材を選ぶ際にも無害かどうか、

つまり農薬や重金属や遺伝子組み換え作物や畜産に使われる薬品や、

放射能や食品添加物なんかが入っていないかを基準にして、

無農薬なら安心

無添加なら安心

自然卵なら安心

関東以西の産地なら安心

このような判断をしている方が多いかもしれません。

 

 

よけられる毒はよけておく

毒を避ける。

排毒する。

ぼくも、これは重要だと思っています。

長年クスリ漬けの患者さんや、

毎食をコンビニやファミレスで済ませているような人からは、

かなり濃厚な『毒』の影響を感じます。

鍼灸に対する生体の反応が、、なんか鈍い。

やはり、生理システムを乱すような物質は、出来るだけ取り込まない方がよさそうです。

害のあるものや疑わしいもので、避けられるものはよける。

それに越したことはありません。

でも一方で、毒を避けることや排毒を意識するあまり、

栄養失調になっている人にも、しばしば遭遇しています。

 

栄養不足な自然食

玄米菜食やアーユルベーダ的なベジタリアンを続けた結果、

だいぶやつれてしまった体験について、何度か書きました。

粗食や菜食が『ヘルシーな食事』『自然食』として薦められていますが、

こういうのはあまり健康的でないようです。

その理由は、単に栄養不足になってしまうから。

食べるという行為の直接的な目的は、生きるための栄養摂取にあります。

だから、毒を避けるというネガティブな理由を優先するあまり、

栄養摂取というポジティブな目的をおろそかにしてはいけない。

でも実際にこれは、ありがちな問題なんですよ。

 

デトックスの弊害とは

たとえば、食物繊維が有害物質を吸着してくれると言われています。

でも、食物繊維は有害物だけを選択的に吸着するわけではありません。

ミネラルなどの身体に必要な物質も一緒に吸着して、体外に排泄してしまいます。

また、断食はデトックスになると言われていますが、

そもそも栄養不足の人が断食したら、もっと深刻な栄養不足になってしまうのは目に見えています。

その結果、生理機能が低下して、本来の免疫力や解毒力が弱くなってしまうんです。

サウナによる発汗でも同じことが言えます。

大量の発汗により、大量のミネラルが失われる危険がありますよね。

あれは体力がない人が無理にやると、かなり消耗してしまうんです。

このように『出すこと』を意識するあまり、栄養欠乏が加速してしまう可能性がある。

デトックス法を行うなら、注意していただきたいことです。

 

栄養摂取を優先する

これらのデトックス法や、そもそも毒を避けることを否定しているわけじゃありません。

僕も一通りやったことがあって、良さも悪さも、自分なりに経験しています。

結局、その人に合わせて適切に行えばいいと思うんです。

でも、毒だらけだから肉は食べないとか、

食物繊維をとるために大量の野菜を食べるとか、

体力が消耗してヘロヘロなのにサウナで発汗するとか、

出すことや入れないことを意識するあまり、

『栄養を摂る』という基本的な事をおろそかにしている人がいます。

それだとかえって、健康状態が悪くなってしまうんですよ。

僕のスタンスは、栄養摂取を優先しながら避けられる毒はよける、というもの。

基本的に薬を飲みませんし、添加物が入っているような加工食品もほとんど口にしません。

また砂糖を、最も蔓延している毒として徹底的に避けています。

でも、完璧に安全な食品をそろえることは難しいですよね。

砂糖だって、外食すれば入ってます。

放射能も化学物質も目には見えないですし。

それに、良いものは当然良いお値段しますから、経済的な制約もあります。

だから、自分に合わせて出来る範囲で『適当』にやればいいと思っています。

今の状況合わせて、なるべく栄養摂取を優先して、よけられる毒はよける。

こんなふうにしてくと現実的じゃないでしょうか。