あかちゃんと腸内細菌

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お母さんの産道からもらう菌

人は全身に微生物の衣をまとい、微生物と共生して生きています。

でも、あかちゃんがお母さんの胎内にいる時、そこは無菌状態でした。

だから当然、産まれた直後の赤ん坊には、

皮膚の常在菌も、腸内細菌もありません。

お産の時に破水して、初めて、外界の細菌類と接触します。

帝王切開ではなく正常分娩で産まれたあかちゃんは、

産道を舐めながら出てくるとも言われます。

産まれてくる過程で接触した細菌がお腹の中に入り、

やがて「腸内細菌」として定着していくのですね。

 

生後7日目まで

大人の場合、口から入った細菌のほとんどは胃酸で殺菌されますが、

産まれたばかりのあかちゃんの胃には酸がありません。

だから細菌は酸に邪魔されることなく、

どんどん消化管の中に入ってくるようです。

あかちゃんの胃に『酸のバリア』ができて細菌を殺せるようになるのは、

生後1週間ほどたってから。

次の図は、生後7日目までの腸内細菌の変化示しています。

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あかちゃんはお母さんの肛門近くを通ってくるため、

生後すぐはまず、大腸菌や腸球菌が増えています。

でも2日目くらいから、ビフィズス菌、ラクトバチルスなどの乳酸菌が増えてくる。

母乳の中には『ラクトフェリン』という成分がありますが、

これは特に、産後すぐに分泌される「初乳」の中に多く含まれます。

ラクトフェリンには、善玉菌を増やし悪玉菌を減らす作用があって、

これらのビフィズス菌などの善玉菌を増やすために働きます。

産まれた直後に出てくる「初乳」を飲ませることは、

あかちゃんの腸内細菌を育てるためにも大切なんです。

 

母乳のウンチは臭くない

母乳で育てられている赤ちゃんのウンチはあまり臭くなく、

かすかに酸っぱい匂いがします。

うちの赤ん坊の場合は、ヨーグルトやチーズのような香りがしました。

でも、最初から粉ミルクで育てたあかちゃんのウンチは、

大人と同じような臭いがするようです。

母乳に含まれる、善玉菌を増やす成分を得られないからでしょう。

通常、あかちゃんの腸内細菌は生後7日目くらいで落ち着き、

ほぼ大人と同じ割合になります。

初期のうちはできるだけ母乳で育てることが望ましいでしょう。

 

後から入った菌は定着しない

腸内細菌のバランスが生後7日間くらいで決まったあと、

腸壁は、それらの細菌で埋め尽くされてしまいます。

腸を整えるためにヨーグルトなどを食べたりしますが、

あとから入ってきた新しい菌は腸内に定着せず、

数日以内に排泄されてしまうことが多いようです。

排泄されてしまえばそれまで、新しい菌の子孫は残りません。

ですから、大人になってから腸内細菌を整えようとする時、

外から善玉菌を足すよりは、既にいる腸内細菌を大切にする、、

このように考えた方がよさそう。

もともと腸内に住んでいる細菌をいかにバランス良く増やすか、

それには体内の環境を作ると同時に腸内細菌の餌となる、

「日常の食事」が大切になってきます。

 

 

※1 溝口徹著 『9割の人が栄養不足で早死にする』より出典

参考文献

『9割の人が栄養不足で早死にする』 溝口 徹 著