鍼灸が効くしくみ

mori

鍼灸ってどうして効くの?

先日、食事指導を取り入れている治療家の会合に参加しました。

その場で、カイロなど他の治療法をやっている先生方から、

「鍼灸ってどうして効くの??」っていう素朴な疑問をいただきました。

これ、一般の人だけでなく、医療関係者や各種療法の治療家さんたち、

みんな疑問に思われることのようです。

そして、だいぶ誤解されていたり、怖がられたりもしていると感じます。

でも、いざ説明してみようとすると、けっこう難しいんですよね。

これが定説、、というわけじゃないのですが、

僕なりに実感していることをベースに、

普段患者さんにお話していることを書いてみました。

 

循環の改善

鍼灸の効果の基本は、循環の改善にあります。

循環とは、血液やリンパ液などの体液循環のことです。

鍼灸の世界では、これに「氣」の概念をあわせて考えていますが、

とにかく、目に見えるもの、見えないものがぐるぐる循環しています。

東洋医学で「氣、血、水」などと言いますが、

これらのものが充実して、滞らずに巡っているのが健康な状態。

ほとんどの病気や体調不良では、この氣血水に過不足が生じて、

流れもスムーズでなくなってくる。

つまり、何らかの循環障害が生じているんです。

そして循環障害が発生した部位では、

コリ、痛み、痺れ、重さ、冷え、過剰な熱など、

何らかの不快な症状が出てきます。

 

ぱーっとよくなる

鍼灸は、鍼と艾(もぐさ)というごくシンプルな道具を使って、

この循環障害を解消する医術です。

単純な話、身体のある部分に鍼を一本刺すと、

その部分の血流がぱーっとよくなります。

これは実感としてもわかりますし、

サーモグラフィーなどを使って視覚的に確認することもできます。

どうして血流がよくなるのか、、

これは異物の侵入に対する身体の防御的な反射であるようです。

生理学的にも一応説明されているのですが、、ここでは省きます。

(はりきゅう理論の本に凡そのことが書かれています)

鍼灸はもちろん、これだけじゃないんですが、

この「循環」という視点から見ると、まずは理解しやすいと思います。

 

鍼と艾で出来ること

集める

散らす

促進する

偏在をバランスする

なんのこっちゃい??って思いますよね。

これ、循環障害に対処する時に考えることです。

集める

例えば、血液が足りないところは弱々しくて、血色が悪くて、冷たかったりします。

本人の体感としては、冷えや重さ、だるさを感じることが多い。

そういう場所には「血液を集める」ような刺激をします。

散らす

あるいは、血液が集まりすぎて、熱を持ってるような事があります。

例えば、捻挫で足首が腫れたような状態です。

このような場合は、体液が集まりすぎて組織内圧が高まり、痛みが強くなります。

この苦痛を和らげるためには、組織内圧を抜くような「散らす」刺激をします。

促進する

また、血液の流れが滞ることがあります。

例えば、カチカチに凝った肩こり、、

この部分の血液循環は、収縮した筋肉によって滞っています。

このような場合は筋肉を緩めて滞りを解き「血流を促進する」ような刺激をします。

バランスする

頭がのぼせて熱を持ち、足先は冷えているような人がいます。

上の方に血が集まって、足の方は足りないような状態です。

このような場合、冷えている足に血液を集めて、

「血液分布の偏在をバランスする」ような刺激をします。

 

これらの施術に使うのは、シンプルな道具「鍼と艾」だけですが、

それぞれに血流に作用する力が強いので、

こんなことができてしまうんです。

 

樹海のような鍼灸界

さて、これはほんの初歩の初歩、、鍼灸のごく一部を説明したに過ぎません。

奥深い迷宮のような、富士の樹海のような鍼灸の世界に入り込むと、

こんなことでは説明できないような現象にも遭遇します。

でも、あんまり神秘化するのも良くないんですよ。

何でもかんでも鍼灸で治るように期待しちゃいますからね。

そんなことはない。

でも、ほとんどの体調不良に循環障害が伴うので、

それによる苦痛をやわらげたり、

体力の回復をサポートしたりすることができるんですね。

鍼灸って何?

効果あるの?

なんで効くの?

って疑問に思っていた方、ちょっとはイメージが掴めたでしょうか。

鍼灸は怖い、熱い、っていうイメージから、

敷居が高いと感じる方も多いようです。

でも鍼灸師は全員、一定の訓練を受けて試験をパスした専門家なので、

試しに受けてみても大きな危険はないですよ。

症状をひたすら薬で抑えるような状態でいるなら、

いっそ敷居をまたいでみませんか?