鶏を自分で絞めて食べました

osutori

5羽のおんどり

今日はじめて、自分で鶏を絞めて食べました。

養鶏をはじめてから、いつかはやるつもりでしたが、

ハードルが高かった。

今年入れたヒナは、おんどりが5羽います。

ヒナというか、、すでに立派な鶏に育ってますけど。

去年はめんどりしか育てなかったので、今産んでいる卵は無精卵。

無精卵でもいいのですが、ぼくの卵を販売している八〇八さんのお客さんからは、

「これ、有精卵ですか??」って聞かれるそうです。

一般的な認識として「有精卵の方がいい卵」と思われているようですね。

栄養価など食品としての価値はそう変わらないはずだと思ってるんですが、

僕もおんどりを飼ってみたかったので、今年ひよこを注文する時5羽入れてもらいました。

でも、、じつは、5羽はちょっと多すぎるんです。

近くに民家もあるので、5羽でコケコッコー!!をやられると、さすがにうるさい。

なので、大きくなったら3羽くらいは絞めて食べるつもりでいました。

はじめから食べるつもりで多く飼い始めたんです。

 

後悔

でも、実際にヒヨコが来て飼いはじめて、何度も後悔しました。

絞められないよなー、やだなー、できないなー、、

半年間うじうじと悩み続けました。

今まで、あまり大きな動物を殺したことがありません。

鶏がかわいくて、毎朝鶏小屋へ行くのが楽しいくらいです。

家畜として飼っている、、

頭ではわかっていても、殺すことには感覚的な強い抵抗がありました。

でも、実際は、毎日お肉食べている。

自分で殺さなくても、だれかほかの人にやってもらってるんですよね。

そのことに対する疑問から、やはり、自分でやってみたい気持ちも捨てきれません。

 

タカ襲来事件

少し前、畑で遊んでいた鶏がタカに襲われました。

その時、けっこう感傷的な記事を書いてしまったのですが、

鶏、たべました

あの一件で、鶏を絞めて食べることに対する「心の準備」が出来たようです。

あの時、絞めるのはタカにやってもらったけど、その後の処置は自分でやった。

血抜きをして、羽をむしって、内臓を出して、部位ごとに解体し、食べる。

泣きながらやったあの作業、忘れられない出来事です。

ただ、そのあと不思議と「もう、やればできるな」という感覚が芽生えていました。

僕は図らずも、タカに教わったようです。

 

コケコッコー!

今年の5月に入れたおんどりは、だいぶ大きくなりました。

最近は、コケコッコー!!と時をつくり、

めんどりの頭をくわえて背中に乗る「交尾行動」をとり始めています。

そろそろ、多すぎるおんどりを減らさなくてはいけない。

ひと月ほど前からそう思っていました。

そして今日、仕事に空きが出て時間の余裕ができたこともあり、

落ち着いてやるなら今日しかないな、、と覚悟を決めました。

数本のひも、ナタ、煉瓦のブロックを用意し、おんどりを一羽選びます。

捕まえたおんどりは少し暴れましたが、

頭に作業用の手袋をかぶせたら急におとなしくなりました。

昔どこかで、鶏は目隠しをすると動かなくなる、、と聞いたことがあったんです。

それ、ほんとうでした。

 

縛ってつるし、首を切る

目隠しをされておとなしくなった鶏の、足と羽をひもで縛ります。

鶏は首を切り落とすと、反射で首がないまま走り出すと聞いていたから。

これ、僕の父は経験したそうです。

足にひもをくくりつけて、木の枝に逆さまにぶら下げました。

このまま20分くらい置きます。

こうすると頭に血が上り、ぐったりして暴れなくなるんだとか。

そして、暫くたってあまり動かなくなった鶏の首を、

ナタで一気に切り落としました。

瞬間、羽を縛っていたひもが外れてバタバタと暴れたため、

首から血が飛び散りました。

少し返り血を浴びましたが、そのまま様子を見ていると、

すぐに動かなくなった。

もう一度逆さにつるして血抜きをし、跡が残らないように周囲を片づけます。

切り落とした頭は持ち帰らず、畑の隅に埋めて、短く手を合わせました。

 

観察しながら慎重に、解体

そこから先はタカに襲われた時と同じです。

解体作業はまず、鶏の身体を熱湯にくぐらせて羽をむしります。

熱湯にくぐらせることで、羽が抜けやすくなるんです。

プチプチと簡単に抜くことが出来ました。

綺麗に羽をむしったら、皮に残っているうぶ毛をコンロであぶって焼きます。

この段階ではもう「お肉」に見えてきますね。

そして、お尻の所から包丁で切って、慎重に内臓を取り出しました。

今回は精神的にゆとりがあったので、きれいに解体できるよう慎重に作業しました。

前から気になっていた「腸の長さ」も測ることができた。

鶏の腸の長さは120㎝ありましたが、体長との比率で考えるとけっこう短い。

同じ鳥類でもハトなど草食の鳥では、腸の長さが体長の7倍にもなるそうです。

鶏は雑食ですが、虫などを好んで食べることから肉食傾向が強いと感じています。

そしてそれは、腸の短さにも現れている。

肉食主体の動物は一般に、草食動物よりも腸が短い傾向があります。

 

野性味あふれる味

そんなこんなで、今日の晩御飯は自分の鶏を食べました。

ガラと手羽元、手羽先でスープを作り、シンプルに塩で味付け。

タカに襲われた鶏を食べた時と同じです。

シンプルな味付けで素材の味を味わいました。

食べた感想は、、野性的。

正直なところ、単純に「おいしい!」という言葉は出ません。

不味いわけじゃないのですが、あっさり、さっぱりした味でした。

先日たべた吉田さんのひめっこ地鶏と比べても、ずっと淡白な味。

特別な日のごはん

でも同時に「野生の力」みたいなものを感じます。(野生じゃないけど)

タカに襲われた鶏のお肉はとても硬かったですが、今回は若鶏のせいか柔らかかったです。

「美味しいお肉を作る」という目的なら、飼育方法や餌に工夫が必要だとも思いました。

食べ物を作るということは、まだまだ奥が深そうです。

野菜にしろ卵にしろ、鶏肉にしろ、自分で作ってみるとその難しさが分かる。

そしてプロの生産者の努力や、自然の恵みのありがたさを感じますね。