老化を測るモノサシ 歩行能力とタンパク質

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老化をみる視点

患者さんを診ていて

「だいぶ老化がすすんでいるな」

と感じることがあります。

年をとれば老化するのは当然ですが、

妙に速く進んでいると感じる人がいる。

よく『老化の原因は活性酸素だ』と言われます。

それも一つの視点ですが、

僕は、ほかにもいくつかの視点から老化を見ています。

今日はその一つ、とても分かりやすいものを紹介します。

 

俺は老化なんてしてない!

ほとんどの全ての患者さんは、なんらかの症状を抱えています。

だから鍼灸院に来る。

その症状がなかなか治らない場合、

「何故なのか、何故なのか、、」と悩んでいることが多いです。

でも、急速に老化が進行しているようなケースでは、

治りが悪いのも当然です。

身体が衰えている。

体力全般、免疫力も、自然治癒力も、消化吸収能力も、運動能力も、

ぜんぶ衰えてきている。

だから、ちょっとした症状がいつまでも治らない。

施術をしてる側から見ると当たり前に思える事ですが、

ご本人は決して納得しないこともあります。

うっかり「老化現象ですね」などと言おうものなら、

「俺は老化なんかしていない!!」

「まだそんなに歳じゃない!!」

「おまえのウデが悪いんだろ!」

なんて怒られたりもします。

いや、、でも、老化してるんですよ。

お身体見たら、一目瞭然ですから。

なにも落ち込ませようと思ってそんなこと言うわけじゃない。

ちゃんと予防する方法はあるんです。

患者さんにはもちろん、本質的な予防法と改善策をお伝えしています。

以前は、水素やビタミンなどの抗酸化物質を勧めたりしていたのですが、

今はもっと基本的な事柄をより重要視しています。

基本的な事柄、、それは食事です。

 

老化の進行を知るポイント

さて、僕がどうやって老化の進行を判断しているか。

こんなところを観ています。

  • 肌の色・ツヤ
  • 筋肉の付き方や弾力
  • 足腰がしっかりしているか
  • 姿勢
  • お腹の状態
  • 髪の毛や爪
  • 歯の状態
  • 胃腸機能(消化能力や食欲)

こういったことをざっと見て、総合的に判断しています。

こう書くと何やら難しそうですが、そんなに難しいことしてないです。

身近な若者と老人を見比べてみたら、違いわかりますよね。

基本的にはそれです。

それがどの程度進んでいるか、実年齢と比べてどうか、

お身体を触りながら観ています。

 

老化とタンパク質欠乏

老化がすすむと、

タンパク質栄養が枯渇してきます。

これは、栄養的な視点です。

タンパク質栄養の枯渇は、見て分かります。

皮膚や、筋肉・骨格の衰えとして現れてくるからです。

筋肉や骨格が衰えは、当然、運動機能が衰えてきます。

具体的には、歩く力が衰えてきたりする。

先日紹介した「介護されたくないなら粗食はやめなさい」という本には、

老化を測るモノサシとして、

最大歩行速度

ニ階までの階段の昇降

1キロメートル持続歩行能力

等が挙げられています。

老化が進むと筋力が衰え、足腰が弱ってくる。

足腰には、身体の中で一番でっかい筋肉が付いていますからね。

そういうところから痩せ細ってきます。

これは「タンパク質栄養が枯渇してきた」ということでもあります。

こうなると、普通に歩く速度と急いで歩く速度の差がなくなってくる。

ご本人は急いでいるのに、スピードが変わらない・・

というような状態になってきます。

危険を回避する能力が著しく低下してしまうんです。

また、次のようなデータも載っていました。

筆者らのグループが北陸地方で行った、

自立した生活を営む65歳以上の約1000人を追跡調査した研究です。

 

IMG1

※出典「介護されたくないなら粗食はやめなさい」P.19

この研究は「ニ階段昇降」「1キロメートル歩行」が出来るかどうかで、

近い将来『軽度要介護状態』になるかどうかのリスクを判定できることを示しています。

(※グラフの色の濃い方が男性、薄い方が女性、性別によっても異なるようですね)

軽度要介護状態とは、

一人で買い物に行ったものの荷、物を持ち帰れない

自分の部屋の掃除が一人でできない

このように一見生活に支障無いように見えるけれど、

日常生活が自己完結出来ない状態が、軽度要介護状態です。

今まで自立して生活していた人が、

他人の手を借りなければ生活できなくなったわけですから重大な変化ですね。

 

老化予防と栄養

一般的に老化が進むと、筋肉や関節が固く、細く、弱くなってきますが、

これは同時に、栄養不足になっているということでもあるんですね。

だから老化を予防し、進行を遅らせるためには、

十分なタンパク質栄養を摂取することが役立ちます。

単純なようですが、これは事実でしょう。

実際に日本では、戦後の経済成長に伴って食生活が欧米化し、

動物性食品を多く食べるようになりました。

その変化に伴って平均寿命がグングン延び、

それまでの2倍近くになっている現実があります。

 

食生活の改善がカギ

このようなことから、急速に老化がすすでしまっている患者さんには、

食生活の改善を提案しています。

内容は、、いつものやつ。

動物性の食品をシッカリ食べて、甘いものはやめる、炭水化物は控える。

胃腸の強化吸収能力や内臓機能がしっかりしているならば、

それだけで老化の進行を遅らせることができるはずです。

でも実際には年齢にともなって消化能力も落ちてくるもの。

僕はそれを、生活指導や鍼灸の施術でサポートしています。

参考図書

「介護されたくないなら粗食はやめなさい」熊谷 修 著