僕は、神奈川の藤沢で開業している鍼灸師です。
鍼灸臨床で日々患者さんの悩みに触れるうち『食生活』の重要性を知りました。
東洋医学には元々医食同源の思想がありますから、鍼灸師が食にこだわるのはむしろ当然と思えます。
そして、食生活の重要性を患者さんにお伝えしているうちに、食べ物を自分で作りたいと思うようになりました。
ただ食べるだけではなく、自分で作ってみなければわからないことがあるはずですから。
そこで鍼灸の傍ら、小規模ですが野菜作りや養鶏も行っています。
健康を実現するには、そもそも病気にならないのが一番。
治療は予防に失敗した時の、最後の手段なんです。
ですから治療法の追求より『予防』がずっと大事だという考えを持っています。
そして予防の要は、 日々の『 食 』にある。
これは理屈の上だけではなく、自身の経験と日々の臨床で実感していることです。
でも長期的に予防を実現するには「何を食べるか」だけでは足りない。
農業や畜産など、食の生産が環境や社会構造に影響を与え、健康の質も決定しているからです。
食と健康はこのように、生産や環境、資源の循環、社会構造やライフスタイルに至るまで続くおもしろいテーマです。
それにつてい個人レベルで出来ることを実践しながら、考えや体験をここに書いています。
鍼灸師 養鶏家
野村哲也